車高調を進化させる①
車高が低いことはカッコイイ。
見た目がいいからよりスポーティになる。
いいことだね。
でも大半の車高調はポン付けしてもいい事が少ない。
例えば段差での突き上げが気になるとか乗り心地が悪いとか。
量販品はもちろん、ショップオリジナルであっても良い車高調を探すのは少し大変なんだね。
白銀は今はBL○TZのZZ-Rを使ってる。
初期はそのまま乗ってたけど、段差の突き上げは酷いし乗り心地も良くなかった。
限界域での粘りも微妙だったと感じたね。
車高調に求められるのはその車に対する許容量を満たしているかどうか。
ストリートならストロークが長いほうがいいとか。
ZZ-Rをベースに考察してみよう。
それにはまず愛車のスペックから知る必要がある。
用意するのは車検証とネットから仕入れた情報くらい。
まず、白銀のロードスターはNB8CのRS-IIだ。
車重は1080kg、前後バランスはF:580kg/R:500kgだ。
もうひとつ大事なのがアーム比だね。
NBロードスターの場合はF:1.43/R:1.33だ。
次に車高調のスペックだ。
吊るしのZZ-Rの場合で見る。
まずフロントはロッド長が115mm、ストローク量が97mmでバンプラバーが33mmある。
リアはロッド長85mmにストローク量77mm、バンプラバーはフロント同様33mm。
計算するにはストローク=ロッド長-バンプラバー、ストローク量がバンプラバーより短かったらまた計算も変わるけど。
つまり実ストロークはフロントで82mm、リアで52mmになるね。
スプリングはフロントに180mmの8kg/mm、リアに160mmの6kg/mmが入っている。
これで必要な情報は揃った。
ここから簡単に計算していくと今の脚のスペックが分かってくる。
まず車両の1G状態での荷重を計算してみよう。
『1G荷重=片輪荷重×アーム比』で出る。
フロントなら『580kg÷2×1.43=414.7kgf』。
リアなら『500÷2×1.33=332.5kgf』。
次に車高調の限界荷重の能力だ。
『限界荷重=実ストローク×スプリングレート』だ。
フロントから『82mm×8kg/mm=656kgf』。
リアで『52mm×6kg/mm=312kgf』。
で、ここまでで出た数値で許容能力を計算すると、
『荷重限界(G)=サス荷重限界(kgf)÷車両1G荷重(kgf)』で計算できる。
フロント『656kgf÷414.7kgf=1.58G』
リア『312kgf÷332.5kgf=0.93G』
この数値がポン付けした状態でのサスペンションの限界だ。
リアは実は1Gにも満たない。
つまり、着地した状態で走ってもないのにバンプタッチしていることになる。
これじゃあ乗り心地なんて良い訳がない。
加えて言うなら、サスは動ける状態だからトラクションがかけやすい。
それが動きを制限されるバンプタッチ状態で走るとなれば、当然グリップも落ちる。
どんなにいいタイヤを履いても、脚がしっかり動いてくれないと話にならない。
この数値をいかに改善するかだ。
ただ、荷重限界を底上げするだけじゃ何の意味もないけどね。
バネの性能を調べたりもしないといけないし、前後の車高バランスだったりアライメントだったりいろんなものをトータルした結果から快適かつ高性能な脚周りが手に入るんだ。
これ、うえしま院長からの受け売りだけどね。
当人がブログで過去に公開してた情報だけでだから、ここからどういった物を選べばいいとかは書けない。
それはあの人に直接聴かないとなんのありがたみもない。
少しずつ、ここを勉強して自分でもセットアップが行えるだけの知識を集めてみようと思うよ。
簡単そうで凄く奥が深い、白銀が実は車で一番好きな部分だ。