【東京】防衛省は25日、名護市辺野古の新基地建設で、軟弱地盤が存在する大浦湾側の施工方法などを検討する有識者会議で、沿岸海域の埋め立てや護岸造成などの工期を約12年と報告した。日米合意で「2022年度またはその後」としてきた普天間飛行場の返還時期は30年代半ば以降にずれ込むことになる。総工費は当初想定の2・7倍となる約9300億円とする試算を明らかにした。
沖縄防衛局によると工期の起算日は、軟弱地盤の改良工事に向けた県への設計変更申請を県が承認した時点。県が承認しなければ、約12年という工期はさらに伸びる可能性がある。総工費は、当初3500億円以上と想定していた。
政府が軟弱地盤の発覚後、工期と工費を示すのは初めて。「技術検討会」の第3回会合で見通しを示した。
政府は、技術検討会で出た意見を踏まえ、19年度内にも県に設計変更を申請する見通しだが、玉城デニー知事は承認しない構えで、再び法廷闘争に発展する可能性がある。
県は18年に新基地の運用まで13年以上、建設関連予算は最大で2兆5500億円かかるとの試算をしていた。