トヨタ労組は新たな仕組みのベア要求を検討している(3月のトヨタ労組決起集会、愛知県豊田市)
トヨタ自動車労働組合は2020年春季労使交渉で、新たな賃上げの仕組みを要求する。基本給を底上げするベースアップ(ベア)に用いてきた賃上げの原資を個人の評価に応じて5段階にわけて配分する制度の提案を検討する。年功序列や横並びを前提としてきた製造業で、約6万9千人の国内最大級労組の判断は日本の賃金制度のあり方を変える契機になる。
自動車業界は100年に一度の転換期にあり、トヨタは「CASE」といった次世代技術の対応や巨大IT(情報技術)企業との競合を迫られている。中国や欧米の競合企業に自動運転などの人工知能(AI)人材を中心に奪われるという危機感を強めている。
「改善分(ベア)で全員一律に賃金を引き上げる必要性はよく考えていかないといけない」といった経営側の発言などをくみ、組合も横並びの賃上げ手法について見直すことにした。
労組はベアに相当する賃金改善分の原資の総額を確保することを優先する。それを組合員各自の評価に応じて…
初割実施中!無料期間中の解約OK!
日経電子版が最長2月末まで無料!
この記事は会員限定です。電子版に登録すると続きをお読みいただけます。