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のん (24)

のん 「ヘタクソだからやっちゃダメ」って、誰が決めるんだろう

文:大矢幸世 写真:伊藤圭
2018/04/09
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女優、創作あーちすととして活躍するのんさん。2年前に個人事務所「株式会社non」を立ち上げ、活躍の場を広げています。大勢をまとめるリーダーとして皆を巻き込み、やりたいことを実現する彼女の、仕事に対する思いを聞きました。

 

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 のん、になってから、もうすぐ2年が経とうとしています。

 「声の仕事が増えていますね」「活動がますます幅広くなっていますね」とか、いろんな反応をいただくのですが、私は相変わらず、です。

  心に残っているのは、映画「この世界の片隅に」。主人公のすず役を務めたとても大切な作品で、原作を読んだときに、「絶対にやりたい!」と思ったんです。この作品は監督をはじめ、関わっている全員が、みんな同じ気持ちで作っている感覚がありました。そのチームの思いが、ご覧いただいた皆さんにも伝わって、少しずつ、いろんなことに繋がっていったのかな、って思っています。

取材に応じたのんさん

どんな仕事でも「私がやる意味」を考える

  演技すること、声だけで表現すること、音楽を作ること、歌うこと、絵を描くこと……それぞれの仕事で、自分がどう身体を使うか、どういう方法で取り組むかはまったく違います。

 そのつど、「自分ならどうするか」と考えながら、仕事に向き合っていくのですが、それによって自分自身が変化する、ということはありません。どんな仕事であっても、自分――のん、というひとりの人間――がやる意味は何なのか、それを研ぎ澄ませていくような感覚なんです。

 「こんなことをしてみませんか?」と新しいお仕事にお声がけいただいたときは、自分がやってみて面白いかどうかを考えます。それから、私がやりたくないこと、やらなくてもいいことはやらない、ということも大切にしています。たとえばキスシーンとか。それは、私じゃなくてもすてきな方がたくさんいらっしゃるから。でも、だいたい面白そうに思えるので、どんどん「やります!」とお答えしていたら、ちょっと忙しくなってしまいました(笑)。

 昨年末に、YouTube Originalsで私が監督、脚本、出演する作品の撮影をしたんです。今、編集作業中なのですが、自分の意図や撮りたいイメージをスタッフの皆さんに伝えながら、どう動いてもらうのかを考えなくてはいけなくて……。ついつい気を張って、険しい顔になってしまいがちなので、「明るく声をかけなきゃ!」とハッとしました。現場が沈んでもいけないので。

 ムードを大切にしながらも、良い仕事をするために、自分の考えははっきり言うようにしています。あやふやなことを言うとみんなバタバタしてしまう。その代わり、迷ったときは「ちょっと悩んでいるけれどどう思いますか?」って、素直に言っています。

 でも、皆さん「のんと一緒に仕事をする」というのを面白がって協力してくださるので、エネルギーが真っ直ぐ目的地へ向かっていっている気がします。やりたいことはやりながらも、チームのみんなの生活のために支える役割もあるので、バランスを考えながら仕事をしています。

取材に応じたのんさん

夢を口にする前にまず、やってみる

 よく、「やりたいことを仕事にするにはどうしたらいいのですか」と聞かれることがあります。「夢を口にしてみたら、願いが叶う」なんて言いますけど、私の場合、口にする前に、やる。やってみる、という感じでした。

 たとえば、音楽。もともと学生の頃、友だちとバンドを組んでいて、ギターを弾いていたんです。あの時のキラキラした、熱、みたいなのを思い出して、「あ! 音楽やりたい!」って思いました。それで、音楽をやるなら自分の曲も作らなきゃ、と思って、ぽつぽつ詞を書き留めて、初めて作ったのが「へーんなのっ」という曲です。

「歌詞」って、ちょっとトゲのあることやストレートなことをそのまま書いても、ごまかせちゃうのがいいですよね。「変なものは変だ」「変なのに好きだ」って、ごちゃ混ぜな思いが、歌になるとかわいく聴こえる。それがすごく気持ちいいです。

 きちんとした知識があって曲を作っているわけではないので、自分の気持ちいいコード進行のまま、本当は音楽理論的にはちょっとおかしい部分もあったりするんですが、「これがいいね」っ て言ってもらえるときもあるので、そのまま突き進んでいます。

「苦手だな」とか、「難しいな」って思うことは多々ありますが、「やってもいいんだ」と思えれば……ほんの少しだけでも勇気が出せれば、実は、できないことはないんじゃないか、と気づきました。

 怖いもの知らずで、「ご一緒してもらえませんか?」と勇気を出してみたら、錚々たるミュージシャンの方々が、曲を提供してくださったんです。初シングルでご一緒した高野寛さんはもちろん、4月に出るアルバムには矢野顕子さん、高橋幸宏さん……。「ダメもと」で声をかけてみたので、曲を書いていただけるなんてビックリしましたし、とても光栄でした。

ヘタクソでもいい。やってみることの楽しさにはかなわないから

取材に応じたのんさん

 きっと、これを読んでくださっている方も、勇気を出せないことってあると思うんです。「こんなこと言ったら、嫌われるんじゃないか」とか、「失敗するんじゃないかな」とか。

 実は私も、いつもそう思っています。演技するときも、絵を描くときも、歌を歌うときも。「ヘタクソだなぁ、もっとうまくなりたいな」「こんなこと、失礼なんじゃないかな」って、何かを仕掛けるたびに、悶々とします。恥ずかしいなぁ、って。

 でも、一度やってみたら、その時の楽しさのほうが勝るんです。手を動かしてみたときの感覚が忘れられなくて、「恥ずかしくてもいいや」って思えるくらい楽しめると、それが気持ちいいことになっていく。「ヘタクソでもいいや」って思えると、すごくラクになれます。

 私は、話すのもゆっくりですし、考えこんでしまうので、どうしたらいいんだろう……と悩んでいたのですが、まわりの人も、「私がうまく喋れる」とは思っていませんよね。それじゃあ、まぁいっか!って、あきらめたんです(笑)。

 「ヘタクソだからやっちゃダメ」って、誰が決めるんだろう……。結局、何が正しいのか、正しくないのかに行き着いてしまう。「どれが正しいのかを探す」ということですよね。

 でも本当は、それを見た人、聴いた人の感情がどう動いたのかのほうが大事なはず。だから、もしそれが幸せだったり、楽しかったりするような感情だったら、ステキなことなんじゃないかと思うんです。

私には「言われたことを言われたとおりにやる才能」がなかっただけ

 「やりたいことがあるって、すごいですね!」って、よく言われるんです。でも私はもともと、小さい頃からやりたいことがどんどんあふれてくるほうで、感情にまかせてやってきただけ。どちらかと言えば「言われたことを言われたとおりにやる才能」がなかっただけ、なんです。だから、私の「弱み」と言ってもいいかもしれません。でも、その弱みだけでここまで来れたのなら、それはそれでよかったのかな、とも思います。

 「読書好きなんですね!」とか「音楽、お好きなんですね」とか言われることもあります。まぁ、読みますが、好きですが……なんか、モヤモヤします。そんなに知識があるわけではないし、普通に、「やりたいからやる」だけじゃ、ダメなのかなぁって。何かを始めるのに、「もっとうまくなってから」「もっと知識を蓄えてから」って理由を考えていたら、いつまで経っても、何もできない気がします。

  だから、一歩を踏み出せない人は、ハードルを低くしてみたらいいんじゃないかな。ヘタクソでも、「これがやりたい!」とか「これが好き!」とかじゃなくても、やる前に躊躇せずにとにかくやってみる。それで楽しかったら、少しずつ変わってくるんじゃないかなって、思います。

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スタイリスト:山口絵梨沙

衣装:トップス ¥50,000(SINA SUIEN)ニットスカート ¥100,000(HELEN LAWRENCE)シューズ ¥19,000(CATWORTH)以上すべてLamp harajuku・タイツ ¥4,200 (Kiwanda)

大矢 幸世 ( おおや・ さちよ)
ライター・編集者。愛媛生まれ、群馬、東京、福岡育ち。立命館大学卒業後、西武百貨店、制作会社を経て、2011年からフリーランスで活動。話す口実が欲しくて、インタビューをしています。
伊藤 圭 ( イトウ・ ケイ)
フォトグラファー。日本写真映像専門学校卒。 代官山スタジオを経て現在フリーランスとして活動中。
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