例えば毎月1回、ボーリングのトーナメント大会を主催します。参加者30人から一人1000円ずつ参加費として徴収し(ボーリング代は別途)、1位のプレイヤーに15000円、2位に10000円、3位に5000円を賞金として渡す、という行為です。
カジノなど、プレイヤーのスキルに左右されない偶然の結果を予測する類のものは違法ですね。また、非プレイヤーが、行われた競技の順位などを予想して、的中したら賞金が支払われる、いわゆるトトカルチョ形式も賭博ですね。
スポーツなどで、参加料を、いわば自分自身へのベットともとれる形式はどうなのかが知りたいです。
また、参加料を取らずにゲーム代だけで主催者が賞金を出す場合、風俗営業法の対象となりつつある(もうなっている?)ダーツの場合、また、賞金ではなく商品の場合はどうでしょうか。
法的な観点からの説明をお願いします。(そんなのどこでもやっている、捕まることはない、などのご意見ではなく、法的に、何に抵触するのか、しないのか、という意味で)
賭博にあたります。
一切のランダム要素がない将棋で賭けても賭博に当たるとされています。
スポーツもダメです。
ゴルフはたしかにスキルに左右されますが、偶然の要素は排除されません。
カジノなど、プレイヤーのスキルに左右されない偶然の結果を予測する類のもの
それを言うなら、カジノのゲームでもポーカーやブラックジャック等はスキルに左右されます。
麻雀、花札もスキルは重要です。
でも、賭博にあたらないわけないですよね?
スポーツなどで、参加料を、いわば自分自身へのベットともとれる形式はどうなのかが知りたいです。
参加費という名目ですが、これは明らかに賭金としか捉えられません。
参加費を自分にベットする形でも賭博罪にあたらないということにはなりません。
それでセーフなのであれば、いくらでも合法的に賭博が出来てしまいます。
また、参加料を取らずにゲーム代だけで主催者が賞金を出す場合
これは完全に合法です。
参加料の取り合いではなく一方的に参加者が賞金をもらっているのであれば問題ないです。
プレイヤーには危険の負担が一切ないので賭博罪にはなりません。
風俗営業法の対象となりつつある(もうなっている?)ダーツの場合
風俗営業法云々は「この問題に関しては」賭博であるか否かとは無関係です。(パチンコ・パチスロでは関係ありますが別問題です。)
さて、ダーツですがゴルフ同様に賭博に当たります。
偶然性はやはり排除できません。
また、賞金ではなく商品の場合はどうでしょうか。
基本的に残るものは危ないですが、低額の記念品程度ならまあ大丈夫でしょう。
合法にやりたければ、上位の人には参加料から食事代を出す、ボーリング代を出すなど「一時の娯楽に供する物」を商品にしておくべきでしょう。
法的に、何に抵触するのか、しないのか
順序が逆になりましたが、問題になるのは、刑法185条・186条です。
賭博罪の但し書きに「一時の娯楽に供する物を賭けたにとどまるときは、この限りでない。」とありますが、たとえ小額でもお金は「一時の娯楽に供する物」にはあたらないとされています。
(賭博)第185条
賭博をした者は、50万円以下の罰金又は科料に処する。ただし、一時の娯楽に供する物を賭けたにとどまるときは、この限りでない。(常習賭博及び賭博場開張等図利
第186条
常習として賭博をした者は、3年以下の懲役に処する。
2 賭博場を開張し、又は博徒を結合して利益を図った者は、3月以上5年以下の懲役に処する。
あんまり何度もやっていたり、主催者として利益を得たりすると、185条でなく、186条で罪に問われる可能性があります。
1)
>一切のランダム要素がない将棋で賭けても賭博に当たるとされています。
条文や判例で言うと、どの辺りからそう読み取れるのでしょうか?
将棋に関する判例は今見つけられませんでしたが、囲碁についての判例がありました。
大審院判決大正4年10月16日大審院刑事判決録20巻1816頁です。
囲碁も将棋同様の完全情報ゲームですから、囲碁と将棋で判断が異なることはないでしょう。(重箱の隅をつつけば、将棋は振り駒で先手後手きめるからランダム要素があるんだといえるかもしれませんが、それはさすがに関係ないでしょう)
2)
>スポーツもダメです。
>ゴルフはたしかにスキルに左右されますが、偶然の要素は排除されません。
と、いうことはあらゆるスポーツは偶然の要素が排除されない、
というのが通説であり、どんなスポーツであれその結果によって賞金(または商品)が贈られることは違法、となるのでしょうか?
そう考えて間違いないと思います。
3)
>それを言うなら、カジノのゲームでもポーカーやブラックジャック等はスキルに左右されます。
>麻雀、花札もスキルは重要です。
>でも、賭博にあたらないわけないですよね?
ん?逆?上記行為は賭博にあたるんですよね?
「あたらないわけないですよね?」=「あたるに決まってるじゃないですか。」
という風に書いたつもりなんですが…
わかりにくい書き方をしてすみません。
もちろん賭博に当たります。
4)
>参加費という名目ですが、これは明らかに賭金としか捉えられません。
>参加費を自分にベットする形でも賭博罪にあたらないということにはなりません。
>それでセーフなのであれば、いくらでも合法的に賭博が出来てしまいます。
私もそういう意味で質問しています。
ただ、「参加費」を名目上、運営費として徴収する場合もあるので、「明らかに」というのはグレーなのでは?と思っています。
一部を運営費に当てればグレーですが、ご質問の説例は、3万円集めて3万円配分していて、100%賭金になってますから完全にクロだと思います。
もちろん、じゃあ1000円を運営費(集計用紙代金とか?)にまわして29000円を配分だったらセーフかというとダメですが、少しグレーになった、みたいな感じの話です。
>>また、参加料を取らずにゲーム代だけで主催者が賞金を出す場合
>これは完全に合法です。
このゲーム代、も名目上だけであったら違法、ということになりますよね?
ゲーム代金の設定なんて主催者側が勝手に決めることができるわけですから・・・。
確かにそうですが、そこはまあ常識で判断するしかないでしょう。
同業のゲーム代と比較して賞品出しているから高いとか、そういうことから判断することになると思われます。
たぶん、警察もすぐには捕まえません。
5)
>風俗営業法云々は「この問題に関しては」賭博であるか否かとは無関係です。
>(パチンコ・パチスロでは関係ありますが別問題です。)
そうなんですか・・・詳しく知りたいです。
パチンコ・パチスロは本当は賭博だけど大人の事情で検挙されないだけ、という理解が一般的なように思われますが(http://oshiete1.goo.ne.jp/qa2297211.html参照。なお、三店方式だから合法というのは大嘘です。ゲームセンターでやったら捕まります。ただし、パチンコ屋でも三店方式をやらないと捕まります。必要条件であって十分条件ではないのです)、風俗営業法で許可を取ることにより賭博罪にあたらないのだという説も一応あるようです(競馬法のように特別法で許可されたと考える)。
また、風俗営業法の許可条件(公安委員会が定めたもの)を守って営業している限り、提供される景品は「一時の娯楽に供するもの」にあたるという説もあります(上の説とは異なります)。
なお、パチンコ店が風俗営業法の許可を取らないで営業すると、なぜか風俗営業法違反でなく賭博で捕まります。
6)
>基本的に残るものは危ないですが、低額の記念品程度ならまあ大丈夫でしょう。
金額や残る、残らないで結果が変わってくるのでしょうか?
「一時の娯楽に供する物」の解釈をもう少し詳しく知りたいです。
明確な判定基準はありません。
判例を手がかりに、
・お金は一円でもダメ。
・食べ物は高額でなければまずセーフ
という理解でいいと思います。
残るものはやや危ないです。
キーホルダーとかストラップとかしょうもないものなら大丈夫だと思います。(というか、仮に法律上「一時の娯楽に供する物」でないとしても、警察がそれを捕まえるとは思いません。)
http://kokonoka.cocolog-nifty.com/tei/2005/04/post_ab2f.html
http://www.hou-nattoku.com/consult/59.php
ご丁寧なご回答、ありがとうございました。
大体理解できました。
>「あたらないわけないですよね?」
すみません。完全に私の読み違いでした。
パチンコは三店方式だから方の網を抜けている、と思い込んでいたので大変ためになりました。
返答が遅れてすみません。
まず、前提として、私も質問内容は賭博行為だろうな、と思っています。
で、その明確な根拠がほしい、というのが趣旨でした。
お答えいただいた内容で、?と思う点がありますので、以下、書き出します。
1)
>一切のランダム要素がない将棋で賭けても賭博に当たるとされています。
条文や判例で言うと、どの辺りからそう読み取れるのでしょうか?
2)
>スポーツもダメです。
>ゴルフはたしかにスキルに左右されますが、偶然の要素は排除されません。
と、いうことはあらゆるスポーツは偶然の要素が排除されない、
というのが通説であり、どんなスポーツであれその結果によって賞金(または商品)が贈られることは違法、となるのでしょうか?
3)
>それを言うなら、カジノのゲームでもポーカーやブラックジャック等はスキルに左右されます。
>麻雀、花札もスキルは重要です。
>でも、賭博にあたらないわけないですよね?
ん?逆?上記行為は賭博にあたるんですよね?
4)
>参加費という名目ですが、これは明らかに賭金としか捉えられません。
>参加費を自分にベットする形でも賭博罪にあたらないということにはなりません。
>それでセーフなのであれば、いくらでも合法的に賭博が出来てしまいます。
私もそういう意味で質問しています。
ただ、「参加費」を名目上、運営費として徴収する場合もあるので、「明らかに」というのはグレーなのでは?と思っています。
>>また、参加料を取らずにゲーム代だけで主催者が賞金を出す場合
>これは完全に合法です。
このゲーム代、も名目上だけであったら違法、ということになりますよね?
ゲーム代金の設定なんて主催者側が勝手に決めることができるわけですから・・・。
5)
>風俗営業法云々は「この問題に関しては」賭博であるか否かとは無関係です。
>(パチンコ・パチスロでは関係ありますが別問題です。)
そうなんですか・・・詳しく知りたいです。
6)
>基本的に残るものは危ないですが、低額の記念品程度ならまあ大丈夫でしょう。
金額や残る、残らないで結果が変わってくるのでしょうか?
「一時の娯楽に供する物」の解釈をもう少し詳しく知りたいです。