ワーケア【拡大】
ホープフルSは一年のJRA・GIを締めくくる一戦。レースの歴史が浅いこともあり、まずは2019年・2歳戦の傾向からおさらいしてみたい。
(1)“速攻”厩舎
今年の2歳芝戦における調教師成績上位5傑のうち上位3厩舎が出走馬を送り込んできた(藤沢和厩舎のゼノヴァースは回避見込み)のはさすがだ。1位の手塚厩舎はマルターズディオサが阪神JF2着、2位の友道厩舎はマイラプソディが京都2歳S優勝と重賞で好成績を残しているのも心強い。
(2)当たり年
ハーツクライ産駒は目下2週連続でGIを優勝中。朝日杯FSでサリオスが無敗制覇を飾ったかと思えば、有馬記念ではリスグラシューが衝撃の5馬身差V。強烈に“当たり年”を印象づけた。今年の2歳芝1勝クラス&オープン戦でも、【8・1・1・4】連対率64・3%と圧倒的な強さを誇っている。来年のクラシックでも要注目だ。
(3)早期デビュー
かつては“夏競馬デビュー=早熟”のイメージがつきまとったが、今年の日本ダービー馬ロジャーバローズは昨年の8月新潟デビューで、前記サリオスは新馬戦開幕週の6月2日にV。期待馬がベールを脱ぐ時期は確実に早まっている。ホープフルSでもGIIに昇格した14年以降の連対馬10頭中6頭は、8月以前にデビューしている。
★注目馬
手塚厩舎のハーツ産駒ワーケアを有力視したい。6月9日のデビューも昨今の傾向にマッチする。鞍上は開催最終日を待たずにリーディングを確定させたルメール騎手。今年の中山2歳戦でも【1・0・4・14】連対率73・7%と圧倒的な数字を残しており、アーモンドアイで9着に終わったグランプリの雪辱を果たすか。
木村厩舎のオーソリティも面白い。デビュー戦で2着に退けたブラックホールはその後、連勝で札幌2歳Sを制している。友道厩舎のディープインパクト産駒ラインベックも巻き返して不思議ではないポテンシャルの持ち主だ。 (漆山貴禎)