秋元議員を逮捕、IR参入巡る収賄容疑 東京地検

社会・くらし
2019/12/25 11:15 (2019/12/25 21:24更新)

衆院本会議に出席した自民党の秋元司衆院議員(12月9日)

衆院本会議に出席した自民党の秋元司衆院議員(12月9日)

カジノを含む統合型リゾート(IR)への参入を目指していた中国企業「500ドットコム」側から賄賂を受領したとして、東京地検特捜部は25日、IR担当の内閣府副大臣などを務めた衆院議員(東京15区)の秋元司容疑者(48)を収賄容疑で逮捕した。同社側は、当時政府内で検討中だったIR実施法案の情報などを求めていた疑いがある。

中国企業関係者による外為法違反事件は、現職国会議員による汚職事件へ発展した。

弁護人によると、秋元議員は「一切身に覚えがない」と容疑を否認している。同議員は25日付で自民党を離党した。

特捜部は25日、500ドットコム日本法人元役員の鄭希(ジェン・シー)容疑者(37)、ともに同社顧問の紺野昌彦容疑者(48)、仲里勝憲容疑者(47)を贈賄容疑で逮捕した。

また、事件の関係先として、千葉県印西市にある自民党の白須賀貴樹衆院議員の地元事務所、宮城県石巻市にある同党の勝沼栄明元衆院議員の事務所を家宅捜索した。2人は17年12月、秋元議員と共に中国・深圳の500ドットコム本社を訪問していた。

秋元議員の逮捕容疑は、国土交通副大臣とIR担当の内閣府副大臣を兼務していた17年9月、500ドットコム側から現金300万円を受け取り、さらに18年2月には北海道への家族旅行の代金約70万円分を同社側に負担させた疑い。

当時、政府内ではIRの制度設計を定めるIR実施法案の検討が進んでおり、18年の通常国会に提出される見込みとなっていた。関係者によると、18年2月に北海道留寿都村で開かれた会合で、500ドットコムの関係者が秋元議員に「IR実施法の検討状況について教えてほしい」と頼んでいたという。

秋元議員が25日に投稿したツイッター

秋元議員が25日に投稿したツイッター

500ドットコムは中国・深圳市に本社を置き、オンラインくじ事業など手掛ける。日本のIR参入を目指し、17年7月に日本法人を設立。紺野容疑者と鄭容疑者は、外為法で定める上限(100万円)を超える現金を無届けで持ち込んだ同法違反の疑いが持たれていた。

現職国会議員の逮捕は10年1月に政治資金規正法違反容疑で逮捕された石川知裕衆院議員(当時)以来となる。

秋元議員は国会議員秘書を経て04年に参院比例代表で初当選した。10年参院選で落選した後、衆院にくら替えして12年に当選し、衆院議員として現在3期目。17年8月~18年10月、国土交通副大臣とIR担当の内閣府副大臣を兼務していた。

秋元司衆院議員の地元事務所から押収物を運び出す東京地検特捜部の係官(19日、東京・江東)=共同

秋元司衆院議員の地元事務所から押収物を運び出す東京地検特捜部の係官(19日、東京・江東)=共同

初割実施中!無料期間中の解約OK!
日経電子版が最長2月末まで無料!

電子版トップ