直訳的には「初鰹は余りに美味しいので、手元にお金がないなら質屋に女房を入れて金を工面してでも(旬が過ぎ去る前に)食べるべきである」と言うもので、大袈裟ながらも粋(イキ)な言い回しは江戸っ子らしい既知に富み、落語を始め、現代でも小説からマンガまで比喩表現の一つとして使われ続けます。
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では実際に女房が質屋に入ったかと言うと、そうではありません。江戸時代の質屋は米蔵や酒蔵等を持つ商人が、商売の傍ら庶民の為のマイクロファイナンスを提供した背景が色濃く、女性や子供を質預かりした質屋が全くいなかったとは言い切れないものの、実際に預かるのは困難だったと思われます。
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まず女性や子供を預かった所で鎖で繋いでおく訳にもいきません。三度の飯を食わせねばならず、これで働かないではアガッタリです。また勝手に敷地内を歩き回られては資財を盗まれる心配もあり、間者(スパイ)の可能性もある第三者を、家主が簡単に受け入れる事は多くはなかったでしょう。
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また「女房を質に入れてでも~」にはオチがあり「手前(テメェ)ん所の女房じゃ質屋もお断りってなもんだがな」「違げぇねぇ」、両者大笑い。現代風に言いますと”鉄板のコント・ネタ”の類であったものが時代を経て、実際には嫁を質に入れないものの、慣用句として現代まで残ったと伝えられています。
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ではなぜ、実際に質屋に女房が入るような話になったか。昨今時代劇が激減しているように、時代考証をしながら脚本を作る人材が引退、人材不足の時代となりました。お金を工面すると言えば、質屋の他に「高利貸し」が思い浮かぶでしょうが、時代考証が雑になると両者が混同されるようになります。
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質屋は刀やノミ・カンナ、着物等の現物を担保に貸付け、返済がない場合は担保を売却すれば損はなく、人を質に預かる必要はありません。加えて、後から担保が足りない等と抜かすは質屋番頭・商人の名折れです。しかし無担保である高利貸しは回収の為には・・・
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昭和の時代劇では「良いではないか」「あ~れ~おやめください」は高利貸しとして描かれているのに平成後期で質屋になっているのは誤解ですね。以上、現代の常識では男尊女卑のブラックジョークと捉えられもしましょうが、実際にポンポン質入れされた訳ではない事をお知りおき頂きたく存じます。
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蛇足ではございますが、そんな「質屋に女房・子供は入らない」を逆手に取り、由緒正しき名家の嫡男を質に入れてしまう宝石・謎解き・恋話満載のストーリー、二ノ宮知子先生タッチでユーモラスに描く「七つ屋志のぶの宝石匣」は講談社Kissで絶賛連載中です!https://kisscomic.com/c/nanatsuya.html…
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最後に「質屋に女房・子供は入らない」と申しますが、当店では「あなたの嫁」「箱入り娘」も質入れ可能でございます。美少女フィギュアやガレージキットも取り扱いがございます。お気兼ねなくご相談ください。流れた嫁はヤフオクで・・・ こんなオチでスミマセン。 https://auctions.yahoo.co.jp/seller/ipawn_jp pic.twitter.com/ni9aTMThf8
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オチが上手い!!(≧▽≦) 勉強になりました(///ω///)♪ ありがとうございます(^^)
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