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【社会】

教員わいせつ 処分最多 昨年度282人 初集計パワハラ32人

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 二〇一八年度に全国の公立小中高校などでわいせつ行為やセクハラを理由に処分を受けた教員は計二百八十二人で、過去最多となったことが二十四日、文部科学省の調査で分かった。これまで最多の一六年度を五十六人上回る大幅増だった。神戸市立東須磨小で教諭四人が同僚をいじめていた問題を受け、文科省が初集計した教職員間のパワハラなどによる処分は三十二人だった。

 文科省は、わいせつ行為などでの処分が過去最多となったことに「SNS(会員制交流サイト)の普及で教員と子どもが学校外でもつながりやすくなっていることが一因ではないか」と指摘。繰り返し処分を受ける教員が教壇に立てないような教員免許の在り方を検討する。

 また、性被害を告発する「#MeToo」(「私も」の意)運動の広がりによって問題の深刻さが広まり、事案が表に出やすくなった面もあり得るとしている。

 わいせつ行為やセクハラの具体的な行為については、「体に触る」が八十九人で最も多かった。「盗撮・のぞき」が四十八人、「性交」が四十一人など。所属校の児童生徒や卒業生、そのほか十八歳未満の子どもが被害者だったのは全体の64・2%だった。

 懲戒処分の内訳は、免職百六十三人、停職五十七人、減給十八人、戒告七人。訓告などが三十七人だった。全体の97・9%となる二百七十六人が男性で、学校種別では小学校七十五人、中学校八十六人、高校百一人、特別支援学校十九人、中等教育学校一人だった。

 初めて集計したパワハラなど教職員間のトラブルによる処分は、停職などの懲戒処分が九人、訓告などが二十三人だった。同僚に無料通信アプリLINE(ライン)で繰り返しメッセージを送りつけたり、送別会でグラスを投げつけてけがをさせたりする事例があった。

 精神疾患で休職した教員は前年度比百三十五人増の五千二百十二人。体罰で懲戒や訓告などの処分を受けたのは七人減の五百七十八人だった。

 

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