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山梨県発!甲府市のコンシェルジュとして~人と人、過去と未来をつなぐ~

画像:笑顔の成澤さんの写真

山梨県甲府市で、甲府に移住を考えている方にアドバイスを行う、コンシェルジュの成澤治子さん。その活動内容と、甲府の魅力について語っていただきました。

現在の活動を教えてください。

甲府への移住を考えている方の相談業務を担当しています。相談者は年齢層も幅広く、家族構成、経済状況などバックグラウンドもさまざまです。相談者それぞれのお悩みに適した情報をお渡しして、移住後の生活を想像してもらうお手伝いです。「いいところだからみなさん来て下さい!」ではなく、ご自身たちで移住までこぎつけることが出来るよう、ちょっと船を後ろからぽんと押すような感じです。例えば自然豊かな場所を望む人がいたとして、その背景にはお仕事、人間関係、子育て、体調などシフトチェンジをしたいという思いを持っていらっしゃることがあります。お話を聞いた上で色々な提案をしながら解決していく感じです。SNSやHP等で発信をするほか、首都圏で移住相談会、セミナーも開催しています。

ちなみに、今年は”甲府“が出来て500年という節目の年です。1519年に武田信玄公の父である武田信虎公が、現在の武田神社のところに館を移しました。その時この地を”甲” 斐国の“府”中(政治の中心)という意味で甲府と名付けました。そこに人々が集住し城下町を作りました。江戸時代には別の場所に甲府城が建ち、もう一つの城下町が出来ました。近いところに二つの城下町が存在するのは珍しいそうです。そんな歴史を辿って今につながる地域の事や歴史的な出来事をわかりやすく書いたり、写真を添えたりちょっとだけ”調理“してお伝えしています。“こうふ開府500年“のPRと移住相談は実はつながっています。この地に武田氏が館を移したのは、度重なる川の氾濫など自然災害から逃れる理由もありましたが、すごいなと思うのは現在の災害ハザードマップに当てはめても強いんです。街道があり、城下町があり、他所から来る人達との交流がありましたから、今この町に住む人たちの人付き合いの仕方にもつながっていると思っています。土地が記憶していることってありますから、そんなことを頭に置きながら移住相談にあたっています。

活動されている中で大事にしている思いを教えて下さい。

常に考えていることは、人が持つ色々な感情の積み重ねが日常を作っているということです。「何人移住しました」、「この施策が効果あり」といったようなことが話題になり、とにかく世の移住はマスで捉えがちです。でも、私のような相談員はそうであってはいけないと思っています。移住を考える人がどのような気持ちを持っているか、その気持ちに寄り添うことが一番大事だと考えています。

画像:コンシェルジュとして窓口に座る成澤さんの写真

成澤さんの活動の原点とは何でしょうか。

市役所の職員になったのは2015年のことで、以前は民間で働いていました。都内の大学を卒業後、地元に戻り記者やTVディレクターとして、季節のこと、お祭り、地域の諸問題等を取材し山梨各地のさまざまなネタを取り扱っていました。仕事を辞め、実家の喫茶店でも働きました。喫茶店ってコーヒーと話題を提供しつつ、人が知り合う場所としての役割もあります。地元の常連さんから観光客まで多くの人に来ていただきました。移住して来た方ともよく話しました。甲府ってどんなところ?こんな困っている事があります!といったような事を話していました。甲府市役所が移住相談員の募集をしていることを知り応募しました。マスメディアの仕事や、喫茶店でお客さんと話してたことが、今の移住相談やこうふ開府500年の活動の原点となり役立っています。

コンシェルジュとして何をつないでいますか?

過去に甲府に住んでいた人々が残してくれた歴史や文化を、今住んでいる人々につないで、さらにこれから甲府に住もうと考えている人々につないでいく。そうやって歴史を未来に残していくことが、私の仕事と言えるのではないかなと思います。“人と人”だけではなく、“過去と未来”もつなぐ。移住してきた方と地元の人々とをつなぐことは大切ですが、甲府に移住してきた人は皆さん自分からどんどん積極的につながっている方ばかり!とても素敵なことだと思いますね。

今後の展望はありますか?

最近、お店をやりたいという理由で移住を考えている人が増えています。そういう人たちが創る新しいものを見ることができるのは本当に刺激的です。完成され尽している都会にはないチャレンジ出来る“余白”が地方にはある。これって実はすごい価値ですよね。

今、甲府に住む人たちの中には遠くを見すぎていたり、隣の芝生が青く見えていたり、現在の甲府に他の観光地や主要都市を重ねて、そういう風になればという人もいます。でもそうではなく、甲府は甲府。もう一度地元の人たちに開府500年という節目を通じて、忘れてしまっている魅力、潜在的な活力、甲府アイデンティティを再認識して欲しいって思います。そのための何かを今探っています!

成澤さん、ありがとうございました。

希望の光プロフィール

画像:成澤さんのアップの写真

成澤 治子(45)

甲府市役所勤務。こうふコンシェルジュとして甲府市の移住相談を担当。合わせて「こうふ開府500年」のSNS等の発信を担う。

取材を通して...

甲府で生まれ育った成澤さんの地元への愛が伝わってきました。甲府という町が長い歴史の中で数多くの人の手によって守られてきたからこそ、私たちの「今」があります。開府500年という記念すべき年に歴史を学ぶことが、これからの甲府を考える上で大きなヒントになると感じました。甲府に限らず、皆さんがお住まいの地域にもきっと隠された魅力が眠っていて、それを再発見し発信していくことで、地元に誇りを持てる魅力あるまちづくりの第一歩となるのではないでしょうか。

山梨県立大学2年 石川 統偉