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福島県会津若松には、古くから古墳であり霊山である飯盛山は、多くの先人が眠っています。そこで白虎隊の五代目墓守として伝統、歴史、自然を守っている飯盛尚子さん。忘れてはいけない日本人の精神、歴史を学ぶことの意義についてお話を伺いました。
白虎隊五代目墓守と観光業の仕事をしています。飯盛山は古くから墓地山として神聖な山でしたので、墓守として日々美化に努め文化遺産や伝統、自然を守っています。観光業では、お土産店や飲食店を営んでいるほか、地域の観光や教育旅行の誘致も行っています。また、書家としても活動しています。
一番大切にしていることは「温故知新」の精神です。地域の歴史的、文化的資源を大事にしつつ、統一したコンセプトを持つことが大事だと私は思います。すべてが新しく近代的になってしまうと古き良きものは失われてしまいますし、失われたものは元に戻らないと思います。伝統を受け継ぎつつ、新しいものも少しずつ取り入れ、共存していきたいです。また、田舎は中途半端に都会の真似をするのではなく、「極上の田舎」というコンセプトを残していくことも大切だと思います。そこに都会の人はほっとすると思います。
「ならぬことはならぬもの」の精神も大事にしています。「什(じゅう)の掟」というものが会津にはあり、「年長者のいうことに背いてはなりませぬ」、「卑怯な振舞をしてはなりませぬ」、「弱いものをいぢめてはなりませぬ」といった、決められたことは守るべきという大切な精神です。
地域の自然、歴史的かつ文化的資源、大事にしなければならない伝統文化を現代に継承しています。あとは会津という土地柄、「ならぬことはならぬもの」の精神、白虎隊の精神から学ぶことによって歴史を現代につないでいます。
白虎隊の精神とは、「ならぬことはならぬもの」という精神です。そのために命をかけても何かを守る覚悟をお持ちでした。年端の行かない子どもたちで構成されていた白虎隊の任務は、敵に会津城下町に攻めこまれぬように会津へ続く橋を壊すことでした。しかし、時すでに遅く、敵は橋を通過。大人相手に一戦交えました。そこで負傷した白虎隊の一部が飯盛山へ流れてきたのです。心配になって飯盛山から会津を見たときに、そこにあったのは炎に包まれた鶴ヶ城でした。実際にはお城が燃えているのではなく、城下町に住んでいた会津の方々が自分の家に火を放ち、炎の壁で身を挺してお城を守っていたのです。当然、飯盛山にいた白虎隊の方々もそれを理解して、会津をこのような状態にしてしまった責任を感じたのです。
今の私たちは沢山の犠牲の上で生かされているということを決して忘れてはいけません。亡くなられた沢山の御先祖が作り上げてきた歴史のうえで生かされている。そのうえで、亡くなられた人たちの想いをくんでつないでいきたいです。
地域の歴史と自然をうまく共存させながら、外部にもこの素晴らしい自然や文化を発信していきたいです。昨今、「おもてなし」がブームですが、観光客に媚びているだけではなく、せっかく日本や会津に来たのであれば、教えも含めて、伝えていくことこそが「おもてなし」なのではないかと思います。
会津の歴史はとても古く、古事記や日本書紀で書かれた時代まで遡ります。古事記には四道将軍親子が出会った場所、そこが「相津」と紹介されています。このように歴史もすごく豊かで、かつ、自然も豊かであったため自然の恵みに感謝して生きていた方々が多く、心も穏やかで温かかったように思えます。歴史を学ぶことは、繰り返してはいけない戦争のことを学ぶだけではありません。現代の世の中に足りていないこと、困っていることの解決方法は昔の歴史の中にヒントが往々にしてあるものです。それを学ぶことこそが歴史を学ぶということなのです。そうすると私たちは昔の方々に生かされているということが分かってきます。そうしたことをしっかりと未来に向けて伝えていきたいと思います。
飯盛 尚子(47)
書家 飯盛分店 社長
白虎隊が眠る地でもある飯盛山で墓守をしながら、土産物店を営んでいる。史蹟の案内もすることで古き良き時代の精神を現代に語り継いでおり、また、書家としても活躍している。
時代の移り変わりが激しい現代において、「先へ、先へ」「次のトレンドは」と先の未来についてばかり目が行ってしまいがちです。今回の取材を通し歴史から学ぶことの大切さを教えていただきました。貴重な経験をさせていただき、ありがとうございました。
上智大学 3年 中村 圭佑