カスタマーレビュー

2019年12月21日
このレビューは、RAVPowerブランドのモバイルバッテリー「RP-PB186」のレビューです。

RAVPower RP-PB186は、少なくとも以下の点についてUSB Type-CやUSB Power Deliveryの規格に違反しています。

・5Vの出力が2.4Aになっている等、パワールールに準拠していない
・Qualcomm Quick Charge 2.0/3.0に対応している

これらが機器の故障など致命的な事態を招く可能性は低いと思われますが、充電されない・充電が遅い等の問題が発生する場合があります。

■パワールールに準拠していない
USB PDにはパワールールというものが定められており、USB PD対応製品は必ずこれを守る必要があります。

RP-PB186のUSB-Cポートは単独使用時に最大29W出力であるため、「5V-3A」「9V-3A」「15V-1.93A」の出力に対応していなければなりません。
また、USB-Aポート併用時は最大18W出力となり、この場合では「5V-3A」「9V-2A」の出力に対応していなければなりません。

しかしながら、RP-PB186が実際に対応しているのはUSB-C単独使用時で「5V-2.4A」「9V-3A」「12V-2A」「14.5V-2A」、
USB-A併用時で「5V-2.4A」「9V-2A」「12V-1.5A」「14.5V-1A」であり、パワールールに準拠していません。

パワールールは安全性というよりかは互換性のための規定であるため、準拠していないからといって、故障などに直結するわけではありません。
しかしながら、接続した機器が充電されない・充電が遅いといった事象が起きる可能性があります。

■Qualcomm Quick Charge 2.0/3.0
USB Type-Cは、USBが定めた方法のみで充電に関する信号をやり取りするように定めています。
しかしながら、Qualcomm Quick Charge 2.0/3.0はUSBが定めたものとは異なる方法で信号をやり取りしているため、USB Type-CにQuick Charge 2.0/3.0を実装することは厳密には規格違反となります。

USB Type-C製品が出始めた2015~2016年頃、一部のUSB Type-Cケーブルを破損させる恐れのある、粗悪なUSB Type-C充電器が出回りました。
RAVPower RP-PB186に同様の欠陥がないか確認を行いましたが、規格の範囲内の電圧を印加していました。
そのため、仮にQuick Charge対応端末を充電したとしても、ケーブルの破損などが起きる可能性は低いと思われます。
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