今年も数々のスマートフォンが登場しました。いまやスマートフォンはカメラ性能を競い合うのがあたりまえですが、逆にチェキなどアナログ感覚を味わえるカメラの人気も高まっています。そんな流れを追うように、モノクロ印刷できる子供向けデジカメが中国で売られていました。筆者のベストバイは最新スマートフォンではなく、深センの電脳街の問屋にて6000円ほどで購入した無名メーカーのキッズデジカメなのです。
■Engadgetベストバイ2019

Engadgetのライター陣が2019年にベストだと思ったスマホやカメラ、デジタルガジェットを一挙紹介するベストバイ企画を展開中です。年末年始のお買い物の参考にドウゾ!ベストバイ記事の一覧は下記のリンクからご覧いただけます。
https://japanese.engadget.com/latest-reviews/
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まずは本体。かなり大きくデジカメっぽいものの、子供向けなのでトイライクなデザインです。とはいえフラッシュもありますし、自撮り用の小型ミラーもあります。そして本体中央縦にスリットがありますが、ここがあとから説明するサーマル用紙の排出部分になります。
背面には2インチ弱のディスプレイを備えます。この下に各種ボタン、本体右側にはシャッターボタンなどがあります。UI的にはちょっとこなれていない感じもしますが、高度な使い方をしないのでこれでも十分なのでしょう。
ランニングコストが激安でお気軽!
巷にあるプリンター内蔵デジカメはチェキの印画紙やコダックのZINKペーパーを使うものが一般的ですよね。しかしカラーで印刷できるメリットはあるものの、画質はあまり優れたものではありません。もちろんアナログならではの味わいある印刷ができますが、印画紙代も1枚あたり100円前後と高く、1日何十枚も印刷する用途には向いていません。
ところがこちらのキッズカメラは、まず印画紙に普通のサーマル用紙(感熱用紙)を使います。標準では57ミリ幅に対応しますが、日本で主流の58ミリ幅の紙も使えました。そしてこのサーマル用紙、お店のレジなどで使われている紙そのものなのです。
筆者は日本でコクヨの30ミリ巻き用紙5巻セットを買いましたがわずか1000円。1巻あたり200円です。そして1巻で300枚程度印刷できるらしいので、写真1枚あたりのランニングコストは1円以下。ここまで安いとじゃんじゃん印刷したり、印刷ミスをしてもなんとも思いません。
サーマル用紙をカメラ前部のプリンター部分に入れて、はみ出した紙を切り取れば撮影準備は完了。この時、紙は適当に切ればよく、前述したように用紙代が安いので適当に切っても「紙がもったいない」と思うことがありません。この気軽に使えるところもキッズデジカメのいいところなのです。
キッズカメラは本体に電源が2か所あります。おそらくサーマルプリンターとデジカメの基盤をそのままくっつけた構造になっているのでしょう。メイン電源(プリンター)を入れ、続けてディスプレイ部分の電源(デジカメ)を入れると撮影準備はOKです。カメラ周りのUIはアイコンなどを見ながら適当にボタンを押せば操作できます。
そして標準設定が「写真保存+印刷」になっているのがポイントです。写真を撮影してから印刷したい写真を選ぶのではなく、デフォルトの状態は撮ったらそのまま即座に印刷、なのです。
あとはシャッターを押すとすぐさま写真が保存され、それと同時に本体の正面から「ジジーッ」とサーマル用紙に今撮影した写真がその場で印刷されるのです。印刷の濃度も選べますが、通常は特に何もしなくても構いません。
レシートに思い出を刷る日々
その場で即座に印刷物を見られるのは楽しく、イベント会場などで出会った人の写真を撮ってレシート印刷を渡すと、誰もが喜んでくれます。そう、このキッズデジカメは撮影という行為を通して「その場のみんなが楽しめる」場を提供してくれるのです。
なお写真は800万画素と1500万画素を切り替え可能、1500万画素にするとデータ量が多いためか印刷は同時にできず、あとから保存データを呼び出して印刷します。また動画も撮れますがこれは印刷用ではなくもともと流用したデジカメに含まれる機能なのでしょう。セルフタイマーも備えます。
メモリカードはマイクロSD、充電はいまどき困ったことにマイクロではなくミニUSBなので、予備を買うならジャンク屋などで入手したほうがよさそうです(筆者はハードオフで購入)。バッテリー容量は不明ですが、イベントで朝から夕方まで使えたのでそれなりに撮影できると思います。
さてせっかくのサーマルプリンターなので他のスマートフォンなどから写真転送して印刷できたら便利そうですが、その手の機能はついていません。結局Bluetooth接続機能を搭載したところで、物珍しさで数回印刷するでしょうが、わざわざモノクロのサーマルプリンターで写真を印刷することって無いでしょう。このデジカメのいいのは「撮った瞬間に印刷して、それをみんなで見て楽しめる」ことですから。
また、Wi-Fiも搭載していてスマートフォンと連携できるのですが、筆者の環境ではうまく繋がりませんでした。デジカメで撮影した写真をスマートフォンへ転送することができるようですが、まあそこまでやる人も少ないでしょうね。
そのほかいろいろなカメラ機能があれば便利なのでしょうが、あえて付加機能を省いているのがこのキッズデジカメの魅力だと思います。
ずっといじくり倒していて、実用性のある機能を筆者は発見しました。写真撮影時にはフレームによる装飾ができ、髪型などを顔にかぶせることができるのですが、そのフレームの一つに「写真入りメモ」があるのです。
これを印刷すると、右上に写真が印刷されたちいさいメモが出てきます。これそのままペンで用件などを印刷して机の上に貼っておけば、連絡メモになります。サーマル用紙にはポストイットタイプもあるので、それを使えばオリジナルのポストイットにもなるわけです。
ということで作例をいくつか。それなりにいい絵が印刷できているかと思います。もちろんその場に友人がいれば印刷物を見て一緒に楽しめるわけです。
メニューは日本語にローカライズされているので、日本でもトイデジカメとして出してほしいものです。筆者はあまりにも気に入ったので、サクラスカーフスリングを取り付けて愛用しています。