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温泉に行っていた2人が帰ってきました。
・(マツ)ただいま~。
(喜美子)お帰り。(武志)お帰り。
おばあちゃん お帰り! ウ~!
(マツ)ただいま。 ウ~!(百合子)お帰り。
(常治)ぽんぽん。ウ~!
ヘヘヘへッ…。何 それ。 スイカ食べる?
ああ いらん いらん。温泉まんじゅう食い過ぎて腹いっぱいや。
悪いとこ 治してきたん?温泉で きれいにするいうて。
はあ…。
うわっ 悪い顔 悪いまんまやん。
病院行くでえ。八郎は? 八郎。
窯業研究所の所長に呼ばれた。
何や せっかく帰ってきたのにええ? 飲み会かい。
おお 武志 お土産。お土産~! やった~!
えらい腹いっぱいや…。疲れたから寝るわ。
よいしょ…。
刀や! とや! とや! とや! とや!
♪~
♪「涙が降れば きっと消えてしまう」
♪「揺らぐ残り火 どうかここにいて」
♪「私を創る 出会いもサヨナラも」
♪~
♪「日々 恋をして 胸を焦がしたい」
♪「いたずらな空にも悔やんでいられない」
♪「ほら 笑うのよ赤い太陽のように」
♪「いつの日も雨に負けるもんか」
♪「今日の日も 涙に負けるもんか」
楽しかったよ。
ほんまは 大阪回ってなお母ちゃんの里の墓参りとずっと疎遠になってた親戚に頭下げて…。
ほんで それから 加賀温泉行ったんよ。
もうアホなことばっかりしてなお父ちゃん頭にスリッパ載して踊ったり…温泉卵あっためてヒヨコにしたる言うたり…。何十年分も笑かしてくれてた…。アホや。
強い痛み止め のんでんねん。
そうなん…?
したげられることないか聞いたんよ何回も。
何もない言われた…。
せやから…せやから できることは 泣かんことや。
うちで見よう。
うちで。
(百合子)うん。
うちで見よう。
♪~
ジョ… ジョージ富士川って誰です?
「自由は不自由や」言う芸術家の先生や。
ああ~ このジョージ富士川。 あ~。
(柴田)何や 知ってんのかいな。(常治)いや 知らん。
どういうこっちゃ…。(八郎)年末に信楽にお見えになるんです。
今度 うちの窯業研究所で実演会やって頂くことが決まってな。
こちらの美術商の佐久間さんのツテで。
(八郎)すごいことなんです。
あっ お義父さんも来ませんか?何すんねん。
みんなの前で実際にやってくれるんです。
何か作ったり 時には絵ぇ描いたり時には陶芸やることも。きっと楽しいですよ。
年末て お前 こっちのジョージはなそんな先 何しとるか分からんわ もう…。
(佐久間)八郎さん。はい。
金賞狙うんやったらもうちょい強い個性 打ち出さんと。
ああ ジョージ富士川みたいにな。
もっと大胆にいけいうことや。
まあ その前に八郎さん本気が足らんのとちゃうか?そら 金賞取らんでも今のまんまでもええけどな。頭一つ ぬきんでると 息しやすぅなるで?息?
そや。 一回有名になっとくと楽んなる。生きていくんが楽んなるわ。川原八郎の名でやりたいこと何でもやれるようになる。
(柴田)ほやほや 頑張りぃ。はい。
ほな そろそろ行くわ。いつもすまんの 邪魔したな。
いえいえ こちらこそ。また これ あの… ほんまに頼みます。
分かってるがな。 ほな ハチ またな。はい。 ありがとうございました。
また よろしゅうお願いします。
また陶芸展応募すんのか。 ええ?
これが5万で これが8万でこっち 10万か。
まだ そこまでは…。
まだ そこまでは言うて もう何年たつねんもう… だまされたわ。
すみません…。
お前… 信楽の陶芸関係者にえらい かわいがられとるやろ?
何でか分かるか?
何でしょう?
川原の人間になったからや。
俺がな 大阪から出てきて信楽に根っこ生やしてそれをお前が引き継いだんや。
やってる仕事はちゃうけどな。
川原家に入って…俺の息子になったんや。
つまり…。つまり 何や。 ええ?
今の僕があるんは 全てお義父さんのおかげやいうことですね。
せや! お前 5年たって ようやくそういうこと しれっと言えるようになったな。
ほんまに もう お前…。 お前俺の葬式の喪主の挨拶 それ言え。 なあ?
八郎さん 何で断ったん!?
何? 何のこと?
(せきばらい)かまへんよ 仕事の話やろ。
問屋さんからの電話 受けたやろ。ああ こないだ…。
何で 断ったん?コーヒー茶わん作ってほしいいう注文。
断ってないで。 60個いうて聞かれたから喜美子 今 そんなんできるやろかな言うただけや。
勝手なこと言わんといて。
できるかできんかは うちが決める!うちの仕事やん!
(小声で)ごめん。え… 何で謝んのん?
きつい言い方してしもた…。ええよ ええよ そんなん。
断ってないで ほんまに。
やりたいんやったら やったらええよ。
あ… ほんでなこの辺 ちょっと触らんといて。
触ってへんで。片づけたやろ ここにあったメモ。
後でやろう思てそのまんまにしたりするねん。
後でって そんなん分からへんやん。
武志 お風呂に入れたり寝かしつけたりしたあとや。
しょうもない…。
♪~
(陽子)ありがとうございました。おおきに。
はいよ。(大野)うん。
百合ちゃん もう一杯いれるか?まだあるよ ありがとう。
お代わり言うてや。うん。
直姉ちゃんがな…。うん。
連絡しても 仕事が忙しいとか言って帰ってきぃひんねん。
(大野)ほうか…。お医者さんは 何て?
往診には来てはるよ。痛み止めとか 注射とか…。
ほんで 時々な…あれ食べたい これ食べたい言うねん。
ここ?うん…。
父の容体は 秋になってずっと深刻になりました。
(小声で)寝た。
見て~!うん?
ウミガメで…。ウミガメ?
うん かわいい?うん。
武志。
おじいちゃんがな おいしいごはんいっぱい食べれるようにええ器 作ろう。
器 作ろう。
素焼きした大皿や。
おんなじこと考えてた。
でっかいな…。ぎょうさん食べてもらえる。
連れてきたでえ。
(八郎)ああ。ただいま。お帰りなさい。
今 武志が描いてます。
♪~
(八郎)お義父さんの顔やそうです。
次 お母ちゃんな?その次 百合ちゃんや。
エヘヘッ。
そっくりや。(八郎)うん 武志 上手やな。
♪~
見て~。お父ちゃん 喜ぶわあ。そやろ?
酒やな。上手やな。
♪~