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クリスマスソングの歌詞がレイプを示唆  リメークされた「現代版」にブーイング

A Christmas Song’s Controversial Update

2019年12月23日(月)17時10分
ジェニーン・マリー・ラッサウ(ジャーナリスト)

名曲をよみがえらせたレジェンド(右)とクラークソンだが TRAE PATTONーNBCーNBCU PHOTO BANK/GETTY IMAGES

<往年の名曲にセクハラ問題が浮上。リメーク版で歌詞を改めたら逆効果で批判の的に...>

ミュージシャンでグラミー賞も受賞したジョン・レジェンドとケリー・クラークソンが、ひんしゅくを買っている。クリスマスソングの往年の名曲「べイビー・イッツ・コールド・アウトサイド」をリメークしてリリースしたのが原因だ。

もともと1944年にリリースされた曲だが、昨年12月上旬、セクハラを告発する「#MeToo」旋風が吹き荒れるなか、歌詞がレイプを示唆しているとの批判が浮上。多くのラジオ局が放送を禁止する事態になった。

そこでレジェンドとクラークソンは、歌詞を現代風に書き換えたものを今年11月上旬にリリース。 12月3日、自分たちが審査員を務めるNBCのオーディション番組『ザ・ボイス』でデュエットした。

【参考記事】史上最もハッピーなクリスマスソング? 200曲を分析し、科学の力で完成

この曲は聖夜の男女の駆け引きを歌ったもので、デート帰りに部屋を訪れた女性が帰ろうとするのを、男性が「ベイビー、外は寒いよ」と引き留めるという内容。問題視されたのは「じゃあ、もう半杯だけ頂こうかしら/飲み物に何を入れたの」というくだり。「デートレイプのにおいがする」というのだ。

リメーク版ではクラークソンが「私の友達はどう思うかしら」と歌い、レジェンドが「きっと喜ぶさ」と返す。クラークソンが「もう1杯頂こうかしら」と歌えば、レジェンドは「君の体なんだから選ぶのは君だ」と応じる。

放送翌日、エンターテインメント情報サイトのバルチャーはリメーク版に好意的だった。「いかがわしい社会的な含みがあるのではないかと気にすることなく聞けるバージョンが、ついに登場した」

ツイッターでは炎上も

しかしツイッター上では、進歩的な歌詞に批判が殺到。「政治的に正しい歌詞のせいで名曲が台無し」「政治的公正を追求するのは自分の曲でやってくれ!名曲をぶち壊すな!」「ケリーとジョンは大好きだけど、『ベイビー・イッツ・コールド・アウトサイド』のカバーはクソ」「元の歌詞の方がずっといい」

【参考記事】毎年2000万本以上も廃棄されるドイツのクリスマスツリー問題

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