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超図解 ファミコンディスク ベルト交換マニュアル


 任天堂のゲーム機は すこぶる頑丈である。
発売から20年余り経過した レトロゲームの代表格
ファミコン ディスクシステムですら現役で使うことができる。

だけど これには条件があり、老朽化したパーツの交換が必要なんだな。
ディスクシステムが動作せずに、使えない原因の大多数は
ベルトが伸びているか、切れているから。

ディスクを入れると作動ランプが点き
モーターの回転音はするのにゲームが起動しない。
まぎれもなくベルトが死んでいる症状なので
新しいのに交換すれば、不死鳥のように蘇るって寸法ですよ。

disk system.jpg

で、今回の蘇りの対象はコレ。
消防車とタメを張る真紅の箱型ボディが懐かしい。


 それでは、ベルト交換を実行に移します。

1. 先ずはベルトの調達から。

任天堂サービスセンターに問い合わせて、価格と送料を確認。
この場合は、ファミコン ディスクドライブ ベルト。
ヘビーユーザーは予備も取り寄せておくべし。
金額分の郵便為替と必要な部品名と数量
住所、氏名、電話番号を明記した紙を同封して封筒で送る。

詳しくは http://www.nintendo.co.jp/n10/inquiry/customer_desk.html

 http://www.nintendo.co.jp/n10/parts/index.html で。

自作マニアは ベルトを自作して代用する手もあるね。
でも、純正品を使った方が無難なのも確か。
お好みのコースを選ぼう。

※ 追記
こちらのサイトにベルトの代替品についての情報がありました。
私はまだ試していませんが参考までに書いておきます。

 2. 本体を分解。○印を参照のこと。

本体裏の6箇所のネジを +ドライバーで外し
ボディの上半分を パカッと取っ払ってしまおう。
ネジは何種類もあるから、場所を覚えてないと後で困るぞ。

画像 No.1
disk system 01.jpg

画像右側 = 電池ボックスとディスクドライブのネジを外す。
画像左側 = 電池ボックスの下にある基板のネジを外す。

基板は 水平のまま、まっすぐ上に持ち上げれば外れる。
次に ディスクドライブと一緒に持ってボディから出す。

画像 No.2
disk system 02.jpg

便宜上、こちらを「 表面 」とします。
電池ボックスと、作動ランプのコードもあるので
無理に力を入れて引きちぎったりしないように。

 3. ディスクドライブを分解

画像 No.3
disk system 03.jpg

ディスクドライブを裏返す。便宜上、こちらを「 裏面 」としておきます。
○にあるケーブルは邪魔なので外す。
○のネジを外し底板を取る。
ここからは、ツインファミコンのディスクドライブも同じ手順です。

画像 No.4
disk system 04.jpg

○のついているネジを全部外す。
ネジは4種類ある、忘れたらアカンで~。

画像 No.5
disk system 05.jpg

ついでに、こっちのギアの配置も見ておこう。

画像 No.6
disk system 06.jpg

ネジを全部外したら、基板を持ち上げて起こすんだけど
ディスクドライブの 表面 にある ツメを上に少し曲げて
ヘッドにつながっているコードをツメから外せば
その分コードを引っ張り出せるので
基板を起こしやすくなるんだよ。

ただし、基板の半田やチップなどには、直接手を触れないようにしよう。
人間に溜まっていた静電気が、一気に基板に流れて
故障する可能性も無いとは言えない。
念のために、ご家庭にある金属を使用した物体に両手を当てて
静電気を逃がしてから始めた方が安全だと思う。

画像 No.7
disk system 07.jpg

1番上の画像
コードが外せないから基板を起こしたままで作業開始。
2番目の画像
三角形をした軸受けがありますが、コレを便宜上「 軸受け 」とします。
また、画面下の大きなギアを、便宜上「 ギア 」とします。
  画像を参考に、軸受けを時計回りに回そう。
  軸受けから軸が外れるまで、矢印の通りに上に持ち上げる。
    力まかせに引っ張ると、ギアを破損するかも? 慎重に!
  軸受けが外れたら、そのまま左上にスライドさせよう。
    下は行き止まりだし、この方向が一番 空間が広いからね。
3番目の画像
ここまで移動させれば、軸受けを持ち上げて外す時にギアが引っ掛からない。
4番目の画像
右側の白い円形の物体は、フライホイールの役目もしているみたい。
その下には カム付きのギアが隠れている。

 おまけ画像
 disk system 15.jpg


 さて、あなたのディスクドライブはどっちですか?

A ベルトが伸びて空回りする。
B ベルトが切れ、溶けてくっついている。

A の人は 5. ベルトの取り付けへGO!
B の人は このまま下へ。

 4. プーリーの洗浄。

運悪くベルトが柔らかくなっていて、プーリーに付着していたら
黒い異物をキレイに取り除く作業をやっていただきます。

まず、付着したベルトを
小さいマイナスドライバーやピンセットなどで削り落とそう。
できるだけプーリーに 傷を付けたくなければ
布切れやウェットティッシュを巻いてこすれば良いかな。
大まかに取れたら、残りカスを溶かして拭き取りです。

画像 No.7の 4番目の画像を見たとおり
右の白い円形物は樹脂製なので、シンナーで拭いたら
痛めてしまい劣化させるので使用禁止。
なので 今回の作業では、アルコール系の
OA機器用クリーナー液を使ってみました。
それと、モーター側のプーリーも忘れずにクリーニング。

何度も拭いていたらキレイに落とせたので、あ~良かった。
シール剥がし液系の物も良いかもしれないなぁ。
とにかく 樹脂(プラスチック)を痛めないブツを準備すべし。

 5. ベルトの取り付け。

いよいよ物語りも佳境に入ってきましたねぇ。

画像 No.8
disk system 08.jpg

1番上の画像
軸受けを裏返して、ギアと支柱の間にベルトを入れる。
2番目の画像
ベルトは持ち上げずに、そのまま右へ。
3番目の画像
ベルトの位置はそのまま動かさず、軸受けを再び裏返す。
4番目の画像
軸受けを取り付ける時には、このように
ベルトを上に持ち上げた状態で行おう。

 6. 軸受けの取り付け。

画像 No.9
disk system 09.jpg

1番上の画像
先程のベルトを巻いた軸受けを、画像の位置へ。
2番目の画像
軸受けの穴を軸方向に移動させる。
この時 ベルトは上に引き上げておこう
下に垂らしたままだと、ギアの間に挟んでしまいそうだ。
軸に近づくと動きが硬くなるけど、慎重に穴に合わせて
軸受けをはめる。
この時、ギアのかみ合わせが上手くいくように
ギアを上から押さえたり左右に少し回転させたりすれば
多少は入りやすいみたい。
3番目の画像
穴に入ったら軸受けを回転させて元の位置に戻す。
4番目の画像
軸受けをネジ止めしたら、ベルトを張る。
ベルトが ねじれてたり、外れてないかよく確認する。
画像左側のスイッチを矢印の穴に入れ、基板をかぶせる。

 7. 基板のネジ止め。

基板をネジ止めする前に、ヘッドの位置を確認しよう。
ヘッドが一番奥に下がっているようなら
ヘッドを前(ディスクカード挿入口)方向に1センチ以上移動させる。

画像 No.10
disk system 10.jpg

そうすれば、画像 No.9の 4番目の画像にあるスイッチ
画像 No.10の位置に、すんなりと入るので組み立てやすいですよ。
○の中を参照しておくれ。

ヘッドが一番奥にある場合でも、ピンセットなどで
スイッチを動かしてやれば基板をかぶせらるけど ちょっとやりにくい。
後は、4箇所のネジを締めるだけ。

ヘッドの移動方法は、次に説明あり。

 8. 調整作業。

「ベルトも取り替えたことだし、組み立てたら終わりだ~」と
思ったら、とんでもない大間違い。
きちんと調整しないと
ディスクを読み込めずに エラーが表示されるんだなぁ。

こういう理由があるから、ビシッと調整しましょう。

画像 No.11
disk system 11.jpg

例の円形物を赤い矢印のように、裏面から見て反時計回りで回転させます。
すると・・・ヘッドが動き始める。
前に(ディスクカード挿入口)へ向かって移動して
一番前まで来ると、今度は後ろに下がり始める。

ここからが、最も重要!!

後ろに少しずつ下がっているんだけど
このヘッドが、ある所で、突然、カチッという音と共に
一気に最後部まで勢いよく動くポイントがある。

この時、ディスクを回転させるための部品の
向いている方向が大事な決め手となる。
(部品の正式名称が分かりましぇん?)

画像 No.12 
disk system 12.jpg

良く見えるように 上に付いてた黒い部品を取っ払ったけど
(画像 No.2参照)取らなくても調整はできるので
無理して取らないように。

青い矢印の指す部品を良く見ると
丸い形の中で、下のほうが直線になっている部分があるんだけど
ここが、先程のカチッと勢い良く動いた瞬間に
画面下、つまりヘッドの方を向いている必要があるんですよ。
赤い線を引いておいたので参考にしておくれ。

この画像のとおりに、赤い線と直線部分が平行ならOK!

ただ、この方法だけでは、各人によって
回転を止めるタイミングも違うから
向きにバラつきが出るんじゃないかな。
では、どうすればいいのか?

そこで、もう一枚 参考画像を見てくだされ。

画像 No.13
disk system 13.jpg

画像 No.11の、赤い矢印とは反対方向に回転させると
すぐに、これ以上は回せなくなるので
この時の、部品の方向を見てみる。
画像の部品と同じ角度に調整しよう。
今度も赤い線を参考にしておくれ。

一度分解したのだから、十中八九 方向がずれてるハズだよ。

画像 No.14
disk system 14.jpg

このイモネジを 1.5ミリの六角レンチを使い
部品が外れない程度に緩めよう。

そして、画像 No.11の時と同じように回して
カチッと勢い良く動いた瞬間、回すのを止める。
画像 No.12と同じ向きに合わせて、イモネジを締める。
念のために画像 No.13の状態でも調べてみよう。

ここでちゃんと向きを合わせていれば
ディスクを正常に読み込めるのであります。
画像と同じ位置なら、調整は終了。
先に分解した時とは逆の手順で組み立てていこう。

組み立てが終わりさえすれば、思う存分
懐かしのディスクゲームと戯れることができるのじゃ。

説明が不十分な点もあるかと思いますが
それは管理人の力量不足、笑って許してたもれ。 ぺこ <(_ _)>


 最後におまけだよ。

ファミコン3兄弟の巻き

fc ~@3.jpg

左 = 長男(ファミコン)
 ディスクシステムが最も似合う男です。
中 = 次男(AVファミコン)
 コントローラーをつなぐと、ディスクの出し入れの邪魔になる。
 次男坊は計画性が無いらしい。
右 = 親戚(ネオファミ)
 あれっ、兄弟じゃなかった。でもディスクシステムが使える。
 パチモノ(部外者)のクセに(失礼)なかなかやるなぁ。


ところで あ~あ、もうこんな時間だよ。
長くなり過ぎたし、時間も掛かり過ぎるから
超図解は もう二度としません。

 --- 終わり ---





この記事へのコメント
任天堂ディスクシステムのベルトを買いたいですが、任天堂に電話したら、「在庫がない」と言われましと。どこからベルトが手に入るご存知ですか。
宜しくお願いします。
Posted by ハーディング・フィリップ at 2011年07月20日 14:42
ネットで検索すれば見つかるかもしれません。
価格が数倍高かったけど非正規品のベルトを以前に見た覚えがあるので、任天堂の純正品にこだわらないのであれば、こちらも検討してみてください。
Posted by 管理人 at 2011年07月20日 19:42
ここを見て取り付けました。とっても分かりやすい解説で本当に助かりました。
Posted by b at 2012年07月12日 20:13
エラーを出さずに、ちゃんとディスクを読み込めるようなら大丈夫でしょう。
あとは遊び放題ですよ。
Posted by 管理人 at 2012年07月13日 20:19
おかげさまで15年間動かなかった彼が甦りました!
本当にありがとう
大学受かったときより嬉しい(笑

うちのは初期設定は要らなかったみたいです~
Posted by R・パーカー at 2012年10月28日 19:58
調整なしで動作すれば手間が省けてよかったじゃないですか。
思う存分遊んでやってください。
Posted by 管理人 at 2012年11月01日 18:52
 はじめまして、ベルトの交換方法とてもわかりやすく助かってます。交換はできたのですが読み込みがうまくいきません、ヘッドの調整もやってみたのですが・・・私はツインファミコンのディスク部を交換しているのですが、ディスク部を裏返して見ると読み込みをするのですが元あったように固定すると読み込みしなくなります、何かご存知でしたらおしえてください、2台分試しましたがどちらも反転しないと読み込みが悪いです 
Posted by 160 at 2015年06月27日 06:40
モビロンバンドを使いました。
ギアの抜き方、ギアの調整は判りやすく説明してあって、とても助かりました。感謝です。
Posted by 野見山直樹 at 2016年12月09日 03:29
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