Category

  • close

    二十四節気を味わう旬彩ごはんVol.28
    飽きない定番超え!
    調理法別「ぶり」レシピ

    Food / 2019.12.07

    • twiiter
    • facebook
    • LINE

    text:Mami Moroi /photo:Masayuki Ichinose /styling:RYOKO(meifan Inc.)

    二十四節気に応じた旬の食材を使った、簡単にできる料理を紹介するこのシリーズ。今回は本格的な冬の訪れを告げる「大雪」。里にも雪が降り、動物たちも冬ごもりの支度を始めるころです。この季節に脂を増しておいしくなる魚が、ぶり。その魅力を味わい尽くす、食卓映えもいいレシピを紹介します。

    旬の今こそおいしいものを!

    切り口がシャープで、全体に透明感があり、血合いは赤が鮮やかなものが新鮮。身に張りがあり、盛り上がっているものがおすすめです。脂が多いのが腹身で皮は白く、さっぱりしているのが背身で皮の色は青色。料理や、好みで選びましょう。

    ぶりがおいしくなる
    下処理のコツ

    ぶりの臭みを抜くためには、塩少々をふって10分ほどおき、出てきた水けをキッチンペーパーでしっかりふきとればOK。味もなじみやすくなります。

    おいしさ長持ち!
    冷凍保存のコツ

    使いみちが決まっていないときは、ひと切れずつラップでピチッと包み、冷凍保存袋に入れて冷凍室へ(左)。例えば照り焼きなど、使う料理が決まっているときは、下味につけて冷凍しても便利(右)。

    野菜の食感でぶりの身のプリプリ食感が際立つぶりの中華風おかずサラダ

    プリッとした食感と脂ののりをダイレクトに味わうなら、やっぱり生食が一番。味が強いので、どんな野菜と合わせても負けず、おいしいハーモニーを奏でてくれます。

    材料(2人分)

    ぶり(刺身用)…200g
    大根…1/5本(200g)
    にんじん…1/5本(30g)
    長ねぎ…10㎝分
    パクチー…適量
    A
     しょうゆ…大さじ3
     酢…大さじ1
     ごま油…大さじ1
     砂糖…小さじ2
    ワンタンの皮…4枚
    松の実…15g
    サラダ油…適量

    作り方

    ① 大根、にんじんはせん切り、長ねぎは白髪ねぎにする。パクチーは2cm長さに切る。

    野菜類は食感を揃えて細切りに。ぶりともよくマッチし、サラダとしてよくまとまる。

    ② フライパンに少し多めのサラダ油を低温(160度)に熱し、松の実を揚げて取り出す。続いて油を中温(170度)にし、細切りにしたワンタンの皮をカリッと揚げて取り出す。

    ③ 器に野菜類を盛ってぶりをのせ、②をちらして混ぜ合わせたAをかける。

    ●トッピングを変える
    柿ピーやナッツをふったり、三つ葉などの香味野菜をのせても。
    ●ドレッシングを変える
    ポン酢しょうゆでさっぱり食べても、市販の中華ドレッシングを使ってもOK。

    ジューシーなうまみを黒酢たれが包み込むコクうまさっぱり!
    ぶりとれんこんの黒酢風

    カリッと揚げると、衣の中にぶりのうまみがギュッと閉じこめられ、嚙むたびにおいしい汁けがジュワーッ♪ 黒酢たれともよくからみ、ご飯とビールが恋しくなるひと皿です。

    材料(2人分)

    ぶりの切り身(背側)…2切れ
    れんこん…100g
    赤パプリカ…1/2個
    長ねぎ…10㎝分
    A
     黒酢…大さじ4
     しょうゆ、酒、みりん…各大さじ1
     砂糖…大さじ2
     塩…小さじ1/3
     水…大さじ2
    塩…少々
    黒こしょう、片栗粉…各適量
    サラダ油…適量

    作り方

    ① ぶりはひと口大に切り、塩をふって10分ほどおき、水けをふく。黒こしょうをふり、片栗粉を薄くまぶす。

    ② れんこんは5㎝長さに切り、縦切りにする。パプリカは乱切り、長ねぎは白髪ねぎにする。

    ③ フライパンに多めの油を中火で熱し、れんこんとパプリカを揚げ焼きして取り出す。ぶりを加え、カリっと揚げ焼きにする。

    片栗粉をまぶしてからカリッと揚げ焼きし、うまみを閉じこめる。

    ④ フライパンの油をサッと拭き、混ぜ合わせたAを加えて中火にかける。煮立ったら③を加え、よくからめる。器に盛り、白髪ねぎをのせる。

    ●野菜を変える
    長いもなど、歯応えのいい野菜を組み合わせるのがポイント。黒酢たれはしいたけやしめじなど、きのこも合う。
    ●調味を変える
    黒酢あんではなく、塩とレモン味、トマトケチャップをからめても美味。また、黒酢あんに唐辛子や豆板醤を加えても。

    海の恵みとうまみを贅沢に味わうごちそう簡単本格派!
    ぶりのアクアパッツァ

    ぶりのうまみを存分に楽しむなら、煮込み料理がおすすめ。身がしっかりしていて煮崩れしにくいので、失敗なく仕上がります。うまみたっぷりの汁も捨てがたく、残ったらパスタやリゾット、スープにぜひ活用して。

    材料(3〜4人分)

    ぶりの切り身(背側)…4切れ
    あさり(砂抜き)…200〜300g
    プチトマト…8個
    黒オリーブ…40g
    にんにく…1片
    A
     白ワイン…1/2カップ
     水…1/2カップ
    オリーブオイル…大さじ4
    パセリのみじん切り…適量
    塩・黒こしょう…各適量

    作り方

    ① ぶりは塩少々をふって10分ほどおき、水けをふいて黒こしょうをふる。にんにくは半分に切り、つぶす。

    ② フライパンにオリーブオイルとにんにくを入れて中火で熱し、香りが立ったらぶりを並べ、表面に焼き色をつける。あさり、黒オリーブ、A、仕上げ用に半量ほど残したパセリを加え、強火で煮る。

    ぶりに焼き色がついたら、あさりなどの材料を加える。

    ③ 煮汁が半量ほどになったらプチトマトを加え、少し煮崩れたら、塩、黒こしょうで味を調え、残りのパセリをふる。

    ●調味を変える
    トマト水煮を加えて、トマト味にしたり、パプリカパウダーやカレー粉を加えて味変えしても。

    教えていただいた方

    吉沼弓美子さん

    プロフィール:フードコーディネーター・管理栄養士。企業で管理栄養士を務めたのち、イタリア・ボローニャのシミリ料理学校にて、イタリア家庭料理を学ぶ。帰国後、料理研究家のアシスタントを経て、2005年独立。幅広いメディアで活躍中。イタリア料理教室Cucina del Cielo主宰。

    まとめ

    ぶりは主に北大西洋に生息する大型の回遊魚。地方によって違いはありますが、例えばモジャコ→ワカシ→イナダ→ワラサ→ブリなど、成長するたびに呼び名が変わる縁起のいい出世魚です。特にこの季節のぶりは「寒ぶり」と呼ばれて珍重される、冬の代表的な味覚。うまみたっぷりで脂がのっていて、お刺身で食べても、加熱調理しても、とにかく美味なんです。オメガ脂肪酸のDHA・EPA、ビタミンB1・B2、ビタミンDなどが含まれ、栄養的にも優秀。おいしさだけでなく、体調の面でも、日常的にいただきたい魚介類のひとつです。照り焼きやぶり大根などの定番だけでなく、さまざまな調理でレパートリーの幅を広げ、食卓の常連にいかがですか?

    Pick upこちらもおすすめ!ピックアップ