中日・平田良介外野手(31)が23日、愛知・中部国際空港から自主トレの地・米ロサンゼルスへ出発した。滞在予定は約3週間で、来月上旬には外野挑戦中の根尾昂内野手(19)が合流する。平田は大阪桐蔭高後輩とのポジション争いを大歓迎。ハイレベルな競争こそアスリートの成長を促すと説明した。
黒のトレーナーにサングラス姿でフラッと中部国際空港に到着した。「行ってきます」。口調は穏やかでもハートは熱い。平田にとって、外野手・根尾は新たな挑戦者の出現。「どんどん(ポジションを奪いに)来てほしいですね。どんどんです」と言葉に力を込めた。
自身を脅かす存在が選手・平田をレベルアップさせると分かっている。「何年も誰か来いと思っています」。ライバルの不調やけがを願うのは二流。一流は次から次へ来る挑戦者を待ち受け、たたき落とす。平田は挑戦者の出現に飢えている。
「中堅に大島さん、右翼にボク。一カ所確定してないところがある。(根尾が狙うのは)左翼なのか、それともボクのところを取りにくるのか。負けるつもりはないです」
まずは根尾をライバルへ押し上げる。求められればアドバイスも送る。米国では屋内トレーニングだけでなく、グラウンドで打ったり投げたり基本動作もする。「外野手としての理想像をつくり上げるのに、言ってあげられることがあれば。プレーはいいところはもちろん、悪いところも伝えてあげられたら」
かわいい後輩だから“しくじり先生”にもなる。規定打席初到達は9年目の2014年だった。「ボクは遅咲きの方。苦労してきた。根尾が今年悩んだのは、結果を見ても分かる。どうしないといけないか、気づくきっかけはあると思う。そのきっかけを1つでも多くしたいです」。宿泊先はホテルではなくコンドミニアム。寝食をともにしながら多くの失敗談を伝えるつもりでいる。
「個人的には足首や胸郭などのトレーニングをして体全体で動けるように」と米国トレの目的を語った。今季は左ふくらはぎの肉離れなどで規定打席に到達しなかった。
ライバル出現を待ち望んできた平田。根尾合流までの1週間は自分と向き合う。ワランク上のプレーヤーを目指す背番号6が米国へ乗り込む。