新聞、テレビなどマスコミの報道は基本、登場する人物に敬称や敬語は付けない。客観的に報道しているということを担保する必要最低限の不文律だろう。だから一国の首相にも、外国のトップや王族にも基本、敬称・敬語は使わない。
しかし、日本の皇室だけには敬称、そして敬語が付いて回る。
「日本国の象徴」だから仕方ないのか。敬称・敬語の多発は、皇室をタブー視する空気を醸成するのではないか。
その影響を最も受けるのが、実は報じる側のメディア自身かもしれない。自らがつくりだした空気に、皇室に対する取材・報道の腰が引けてしまい、自由な論議を阻むことになりはしないか。
こうした懸念を少しでも払拭しようと、試行錯誤し実践している大手メディアもあることは、あまり知られていない。本稿ではその取り組みの歴史と、それでも今なお残る課題を紹介したい。
平成から令和に代わり、皇室のありよう、女系天皇の問題など多くの課題を幅広く遠慮なく論議することが求められている今こそ、天皇・皇族に対する敬称・敬語を見直す機会となってほしい。