とあるnon-binaryトランスジェンダーの生存戦略

non-binaryトランスジェンダーの情報や体験を発信していきます。古い日本企業の文化に適応できず、海外移住しました。

パスポートの付箋

私はnon-binaryトランスジェンダーで、普段は「やや男性」として生活している。

特に日本の企業で働く上では女性として見られてしまうと非常に不愉快な思いをするため、会社の同僚には男性で通している。

そんな私のパスポート上の名前と性別は女性のものだ。

海外で会社の同僚とレストランに行ってお酒を頼む時など、年齢確認のために身分証明書の提示を求められることは結構あり、こんな時にうっかり下の名前を呼ばれたりMs.やMamと呼ばれるのは避けたい。

そこで、パスポートの顔写真のページの上に

Please do not read aloud my first name and sex. Instead of "Ms.", please call me "Mr."

(私の下の名前と性別は声に出して読まないでください。Ms.の代わりにMr.と呼んでください)

と書いた付箋をつけることにした。

f:id:utesaburou:20191223012436j:plain

sticky note on my passport

この付箋が役に立つことを、アメリカでパスポートを提示する度に実感している。

身分証明書提示の場面で、隣にいる人にばれないようにするために貼った付箋だけれど、たとえ一人でパスポートを提示する場面でも、このおかげで自分自身にとって自然な扱いを受けられることに気づいた。

役所の窓口の人も付箋に気づいた後は"Mr."と呼んでくれたし、昨日はスーパーマーケットでお酒を買う時に身分証の提示を求められて見せたら、スーパーの店員がごく自然に

"Have a nice day, Sir."

と言ってくれた。

あ、こんなに自然に、トランスジェンダーが受け入れられるんだ、と感じて嬉しくなった。