WBAミドル級防衛戦を行う王者の村田諒太(33)=帝拳=は、挑戦者の同級8位スティーブン・バトラー(24)=カナダ=と対面しても自然体だった。時折笑顔をのぞかせ、緊張からかボーッとしていた挑戦者に「これから写真撮影だ」と英語で助け舟も出した。
2012年ロンドン五輪で金、世界戦は6度目。「世界戦の行事にも慣れてきた」。数々の大舞台を踏んできた王者には風格が漂っていた。身長が7月のブラント戦から0・5センチ伸びたことも、「検診の数値は測り方次第だし気にならない。身長は、髪にワックス着けたせいでは」と笑う。「リラックスして見えたのは控室で八重樫先輩と大学時代のリーグ戦の話とかしていたから。『ヤエちゃん効果』です」。冗談まで口にした。
対する挑戦者バトラーの印象に関して「減量のせいか、記者会見の時に比べて細くなった気がしますね」と冷静に相手を観察していた。
余裕は、充実した調整の表れだ。「すごくいいトレーニングができたので自信を持ってリングに上がりたい。あとは疲れを抜きながら体重を落とすだけ。もう明日が計量でも(リミットに)落とせるレベルまで来ています」。村田は21日に最後のジムワークを行い、すべての準備を整えて23日のゴングを待つ。