2065年、日本の人口ピラミッドはどうなるか

中低所得国では増えるが日本は1億人を切る

人口予測は最も確実な将来予測です(写真:Solahuddean Gariya/PIXTA)
昨今の経済現象を鮮やかに切り、矛盾を指摘し、人々が信じて疑わない「通説」を粉砕する――。野口悠紀雄氏による連載第4回は2060年の世界の姿を大胆に予測する。

2060年の世界人口は、現在より30億人近く増えて、100億人を超えると予想されています。インドが中国を抜いて、世界一の人口国になり、日本をはじめとする高所得国では、労働力人口が増えないため、経済成長率が低下するでしょう。

将来を予測することは必要だが、容易でない

大洋を航海する船は、つねに先行きを予測し、航路の状況を見ながら進みます。そのために正確な海図を準備し、また行先地の気象の状況を観測しています。

この連載の一覧はこちら

われわれがさまざまな活動を行う場合にも、将来についての正しい見通しを持つことが必要です。

将来予測は、どんな主体にとっても重要です。

政府の政策は、将来の正しい見通しに基づいてなされる必要があります。とりわけ、社会保障制度の設計においては、長期的な将来見通しが不可欠です。

企業が事業計画や設備投資を決定する場合にも、将来の見通しが重要です。

個人でもそうです。職業を選択したり、学校で専門の科目を選んだりする場合、将来に対する見通しを持つことが必要です。また、将来の年金がどうなるかなどについて正しい見通しを持って、生涯設計をする必要があります。

次ページ将来を予測する1つの方法として…
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  • marya112f01f0d4c
    社会保障制度は、人口が増え続けることが、暗黙の前提でした。

    しかし、人口が増え続けることは有り得ません。

    要するに、ねずみ講です。民間なら犯罪ですが、国は???

    経済学者は馬鹿が多すぎる。厚生労働省は国家詐欺の元締め。
    up44
    down26
    2019/12/22 09:56
  • 3人娘のママa44d7c4269f2
    3人子供産んで、旦那の稼ぎだけじゃあ、生活出来なくて、旦那の親の家に居候して、3番目が、小学生になった途端睡眠時間削って家事と仕事夢中でこなして来ました。家では姑にいじめられて、職場では、主婦だから厳しさがないなどいわれながら、なんとか過ごしてきました。そんなヨレヨレな私を見て、成人した娘は、仕事してても家事は女だし、職場でも女に対する偏見から、結婚したくない。育休取ったらもとの部所に戻れないし、機能してない働き方改革で、子供産んで休める世の中じゃないし、また、今どき共稼ぎしないで食える世の中じゃない。って言う。そんな世の中を作ってるのは政治家の責任、最後は未婚の年寄りばかりで、社会保障破綻は目に見えている。
    up30
    down22
    2019/12/22 11:30
  • M&K5d103f2167b8
    まぁ、僭越ですが、最終的には、富裕層対貧困層になるでしょうが、だって、富裕層だって、いざとなったら、協力しなきゃ生きていけないんだから、下に恩恵を与えるしかないと思いますけどね(笑)
    また、税や社保費が上がって、高い肉とかが、買えなくなったら、日本食が見直されていいと思いますよ(笑)
    豆腐、納豆、煮物、漬物、もやしの味噌汁、とかね(笑)
    昔の文豪や日本人それだけでも生き抜いてきたし(笑)
    up1
    down7
    2019/12/22 15:29
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