外資初、「HP」がPCシェア首位を奪取した理由

「Windows 7」サポート終了特需だけじゃない

アメリカのHPが9月に発表した法人向けノートPC「エリート ドラゴンフライ」。重量は1キログラムを切る(撮影:今 祥雄)

マイクロソフトのOS「ウィンドウズ7」のサポートが2020年1月に終わるのを目前に控え、国内のPC市場が駆け込み需要に沸いている。その中でも勢いを増しているのが、アメリカのPC大手HPだ。

調査会社IDCによれば、今年1~3月の国内ブランド別PCシェアでHPが18.7%となり、首位に立った。富士通やNECなど長年上位を占めていた国内大手を押しのけ、外資系メーカーとして初めてシェアトップの座をつかんだ。今年1~9月の最新数値を見ても、18.1%でトップを維持している。

法人向けは前年比倍増

カギとなったのは法人向けだ。ウィンドウズサポート終了の追い風があり、市場全体の出荷台数は50%以上伸びているが、HPはそれをはるかに上回る前年比2倍の台数を出荷した。

日本HPの岡隆史社長は、「過去の製品と比較するとデザインが改善し、ラインナップも拡大した。さらに、国内販売分の多くを東京で生産しており、納期が読みやすいことも強み。ただそれ以上に、ここ数年、セキュリティの性能を打ち出してきたのが功を奏した」と話す。

「人々の働く環境はますますオープンでモバイルになっている」。HPアメリカ本社は今年9月に法人向け高価格帯ノートPCのグローバル発表会を日本で開催。PC事業担当プレジデントのアレックス・チョウ氏は、働き方の変化を強調した。

ここでお披露目された「HP エリート ドラゴンフライ」は重量が1キログラムを切り、最大24.5時間駆動するバッテリーを搭載。いつでもどこでも使える点を訴求する。そのうえでチョウ氏は、「持ち運べることと裏腹に、それだけセキュリティも強固なものでなければならない」と話す。

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  • はらぴーc48f16528fa2
    富士通や日電PCなんて現場ではとんと見かけなくて長いんだが、この前まで首位だったとはにわかに信じ難いが、一般の顧客からするとやはり『日本メーカーがなんとなくいい』と思われているのだろうか?
    まあ実情は『ネームプレート』だけなんだが。
    近年はHPかDELLかでコスパ的にはDELLなんだろうけど、記事にもあるがDELLは納期が読みにくいし、昔からのイメージでDELLは安かろう....と言う固定観念がまだ残っているのかも知れない。
    up6
    down2
    2019/12/22 07:54
  • リベラル@日本669091de984e
    実際に使ってみると、最初から入っているセキュリティを謳うソフトウェアが鬱陶しいんですがね。
    up4
    down1
    2019/12/22 08:57
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