【解説】『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』のエンディングを徹底分析!レイとカイロ・レンに何が起きたのか?

スカイウォーカー・サーガの結末とは

この記事には『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』の完全なるネタバレが含まれる。


『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』はスカイウォーカー・サーガの最終章だ。これはつまり、本作のエンディングが1本の映画の終わりだけではなく、40年以上も前から続いてきた、9本の映画からなる3つの三部作の大詰めであり、また本作の結末に対する考察がこのスペースオペラ全体への理解に直結するということである。

それでは、この壮大な完結編はどのように締めくくられたのだろうか? 『スカイウォーカーの夜明け』のエンディングを分析しよう。

未知領域と惑星エクセゴル

「スター・ウォーズ」の物語はずっと「遥か彼方の銀河系」で展開してきたが、『スカイウォーカーの夜明け』のフィナーレの舞台はアウター・リム・テリトリーの外側にある、「未知領域」という謎多き未開拓の空間に変わる。実は、銀河共和国と銀河帝国、ファースト・オーダーのコントロールが及ばないところに、多くの世界が存在するのだ。

銀河帝国皇帝パルパティーンは、未知領域にあるシスの惑星「エクセゴル」にずっと潜んでおり、『エピソード6/ジェダイの帰還』においてデス・スターの反応炉へ落とされても、何らかの形で生き延びてきた。

エクセゴルには、複数のスノークのクローンが入っているタンクをはじめ、クローンを作るパルパティーンの施設が存在するようだが、皇帝自身はクローンではないようだ。シスの暗黒卿しか使いこなせない魔術と暗黒科学についてのさりげないセリフがあるので、皇帝の帰還はそれで説明がつく。

また、「スター・ウォーズ」のゲームや書籍を通じて、パルパティーンが自分の死に備える緊急時の対応計画の一部として、未知領域の資源を利用していたこと、そしてファースト・オーダーの造船所や基地、武器工場も未知領域で建築されたことが分かっている。そのため、空白の30年にわたってパルパティーンが未知領域に潜伏してきたという話は筋が通っている。

レイ・パルパティーン

この数十年で、彼は決して暇を持て余していたわけではない。パルパティーンは、最高指導者であるカイロ・レンに提供するスター・デストロイヤーの大艦隊の建設を監督してきたのだ。それぞれの戦艦は惑星を滅ぼせる強力な武器を搭載している。デス・スターなんて旧式な兵器はもういらないのだ。パルパティーンが艦隊と引き換えに入手したいのは、カイロ・レンと繋がりがあるフォースの使い手のレイ――皇帝の孫娘――にほかならない。

シスの魔術によってかろうじて生きている老衰著しいパルパティーンは、レイに自分を殺してもらうことで、彼の霊的存在および彼の中に取り込まれたすべてのシスの魂をレイに移し、力に満ち溢れている若い肉体をもって最高統治者として君臨しようと画策している(シスの取り込みについては後述する)。

パルパティーンの孫娘が誕生した経緯は明らかになっていない。フラッシュバックでは、彼の息子がレイの父親であることが描かれているが、以前の映画には皇帝に家族がいるという事実を示唆するシーンは一切存在しない。

『スカイウォーカーの夜明け』の最後の戦い

この疑問はさておき、本作のプロットはとにかく主人公たちをエクセゴルへと導いていく。未知領域でレジスタンスは「ファイナル・オーダー」と名乗っているファースト・オーダーの新たな艦隊と交戦する。ポー・ダメロンが空中戦を指揮する一方、フィンと新キャラクターのジャナ(ナオミ・アッキー)は地上部隊を率いる。地上部隊は、スター・デストロイヤーの主力艦から通信アレイ(あるいはそれに類する何か)を取り除くという任務を担っている。

ここで事態は少し紛らわしくなる。このミッションを達成するために、フィンとジャナは何度も攻撃のターゲットをせわしなく変えなければならない。しかし、主な目的は明確だ。スター・デストロイヤー同士の通信を遮断し、その間にレジスタンスが敵を一掃することを願いながら、パルパティーンの艦隊が未知領域から出ていくのを阻止することである。

レイとカイロ・レンの死

一方、惑星エクセゴル上では、自分とパルパティーンの血縁関係を知って、自分がダークサイドに堕ちてしまうかもしれないという恐怖を抱いたレイは皇帝に立ち向かう。パルパティーンはあいかわらず歪かつ邪悪で、何らかの奇妙な装置――おそらく彼をギリギリで生かしている物――からぶら下がっている。

ここからのシーンは『ジェダイの帰還』にとても似ている。2人の頭の上で――皇帝が同時に操作している――宇宙バトルが繰り広げられる一方、パルパティーンは若いジェダイに殺してもらい、相手をダークサイドに転向させようとしている。悪いやつが善になるという展開も『ジェダイの帰還』とそっくりだ。

レイと皇帝は最終的に、得体の知れない大勢のシスの崇拝者でいっぱいの広大な競技場で対峙する。パルパティーンは自分を倒すようにレイを誘い、フォース・ライトニングでレジスタンスのすべての戦艦を無力化してレイを挑発。シスの崇拝者たちの正体は明かされていない。彼らはパルパティーンのクローンかもしれないし、皇帝がやって来る前に惑星エクセゴルにたどり着いた多くのシスたちの顕現かもしれないし、あるいは単に無料のショーを楽しむために集まった好事家なのかもしれない。

そしてベン・ソロ(もとカイロ・レン)が駆けつけ、祖父と伯父のライトセーバーを手にして、レイア姫のライトセーバーを操るレイと共に、皇帝と彼の近衛兵たちと対決する。ベン・ソロは、母のレイアが息を引き取り、亡き父親であるハン・ソロの幻影に「今からでも決して遅くない」と語りかけられたのち、ダークサイドとカイロ・レンとしてのアイデンティティを投げ捨てたのだ。

パルパティーンはここで新たなフォース・パワーを解き放ち、言葉どおりレイとベンから生命力を抜き取って、それを吸収して――“皇帝基準”ではあるが――表面上の健康な状態と、不気味さが減った外見を取り戻すことに成功。さらに彼はかつてダース・ベイダーが自分にしたのと同じように、ベンを底のない奈落へと吹き飛ばす。

過去の(ジェダイたちの)声

皇帝が自分よりも前にこの惑星にやって来たすべてのシスの魂を彼の中に取り込んだことを自慢げに語る中、レイもノックアウトされたように見える。ほかのシスたちを自分の中に取り込むことは何かの新しいフォース・パワーのように思えるが、パルパティーンは常にシスたちの魂を“携帯”しているのだろうか? ダース・モールも彼の中にいるのか? シスにとってはあまり嬉しくなさそうな話である。

しかし、レイはここでジェダイの先達たちに呼びかけ、オビ=ワンやヨーダ、クワイ=ガン、アソーカなどの声が聞こえてくる。そしてふたたび生き返り、皇帝に対して立ち上がったレイは、相手のフォース・ライトニングを両方のスカイウォーカーのライトセーバーで弾き返し、彼をバラバラにする。

こうすることで、レイは師匠の殺害によって弟子がシスの力を受け継ぐというサイクルを断ち切った。彼女は自分の力でパルパティーンを倒すのではなく、彼自身の力を跳ね返して皇帝を永遠に葬ったので、彼の中にいるほかのシスたちも一緒に消え去った。不幸なことにレイの消耗が激しすぎて、自分も一緒に死んでしまう。

時を同じくして、ランドとチューバッカは惑星の上空に到着。2人は大量の戦艦を引き連れてきて、フィンとジャナが通信アレイを破壊した後でスター・デストロイヤーの艦隊を片づけていく。『エピソード8/最後のジェダイ』の終盤にはレジスタンスのメンバーが20人ほどしか残っておらず、招集をかけても誰も助けに来てくれなかったので、前作と矛盾しているようにも見えるが、この際は気にしないでおこう。今は軍事関係者だけではなく、すべての仲間たちが戦いの場に来たのだ。

惑星上では負傷したベンが落とされた穴から這い出て、新登場のフォース・パワーでレイを治療してよみがえらせる。興味深いことに、これはアナキン・スカイウォーカーがパドメの死を予見したときに、皇帝が彼に与えると約束した力とよく似ているように思える。もしかしてベンはシスのパワーをジェダイの能力に変えたのだろうか?

いずれにしても、ベンがレイを救って、2人がキスを交わしたのち、ベンはこの世を去った。彼が人生の最後に実践した贖罪の行為は、レイのために自分を犠牲にすることだった。2人が終わりなき生命力の交換を始める暇もなく――レジスタンスの基地で死んだ彼の母親であるレイア姫の肉体と同じように――ベンの肉体が消え、フォースと一体化した。

スカイウォーカーの夜明け

ということで、レジスタンスは最終的に勝利し、ジェダイはシスを完全に壊滅させた。フィンやポー、ほかの仲間たちと戦勝を祝った後、レイはタトゥイーンへ赴き、ルークが育ったかつてのラーズ水分農場に行って、ルークとレイアのライトセーバーを埋めた(まあ、レイア姫はタトゥイーンとは接点を持っていないが)。レイはまた、自分の黄色のライトセーバーを作ったことを明かしている。通りすがりの老婦人に名前を聞かれたレイは、ルークとレイアのフォースの霊体が自分に微笑みかけているのを見ながら、「レイ・スカイウォーカーです」と答える。ここで「スカイウォーカーの夜明け」がついに実現した。

映画の最後のショットは、レイとBB-8が――ルークがずっと昔にしていたように――2つの夕日を眺めているシーンである。

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※本記事はIGNの英語記事にもとづいて作成されています。

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