東京の有名ラーメン店がパリやニューヨークに進出し、今や日本のラーメンは世界が注目するところとなった。海外のフーディ達がSNSでラーメンの食べ歩きをアップするのももはや当たり前となっている。
そんな世界に誇る日本のラーメンの中でも、世界一有名なラーメンチェーン店はなんと東京でも博多でもなく、熊本にあった。重光産業株式会社が手がける「味千ラーメン」だ。
熊本を中心とする味千ラーメンはフランチャイズ展開により、日本国内に74店舗、海外14ヵ国に819店舗、合計893店舗を持つ(2019年12月19日現在)。
国内よりも海外の店舗数が多いというグローバルなラーメン店。ヨーロッパにおいてはイタリアやフィンランドといった、およそラーメンのイメージにはほど遠い国から、モンゴル、シンガポール、タイ、マレーシアなどのアジア圏、北米のアメリカやカナダはもちろん、はるか中米のパナマにまで及ぶ。その出店のラインナップはバラエティに富んでいる。
さらに驚くのは、ラーメンのルーツでもある中国に700店舗以上もあること。しかも行列のできる人気店として知られているのだ。
そんなに有名なのになぜか知らない。そう思う人も少なくないだろう。それは味千ラーメンが東京に出店していないため、首都圏に住む人にとっては知る由もないラーメン店だからだ。
東京のみならず、実は関東には茨城県に1軒あるだけ。熊本と九州を中心にした国内から、首都圏をスルーして、いきなり海外という実にユニークな経営方針を貫いているのだ。