なぜ、このようなブログを書く気になったかというと、じつは奈良もみじさんの登録証再発行のブログに関係します。
この事件のおかげで近々自分も登録証の再発行をしなければなりません。
その理由はそのうちブログの中にが出てきますが順を追って書きたいと思います。
何回にも分けてブログにしますので暇なときにでもお読みください。
まず、恐らくは自分のお友達登録させて頂いております刀剣の諸先輩方は、行きつけのお店とか、信頼できるところとかをお持ちと思います。
今回は素人が嵌りやすいミスだったと、非常に反省しました。
まず、素人が被害に会い易い点は下記のようなところにあると思います。
１．諸工作を頼みたい時にどこに頼めばいいかわからない。
２．諸工作の相場が分からないため、実店舗の料金が高いと思ってしまう。
３．ネットで受付しているところは安いし言葉巧みに宣伝している。
ということで、お恥ずかしながら巻き込まれました。
そのお店は福井県にある「勝山剣光堂」というところです。
リンクしてあるのでＨＰをご覧になれます。素人の目には明快なメニューでリーズナブルなところに惹かれて頼んでしまいました。
さて、肝心の事件ですがこちらです。ちなみに記事中の横浜市の男性は自分ではありません。
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2016.7.25 18:42
日本刀横領容疑で再逮捕 福井、業者の男は否認
福井署は２５日、預かった日本刀を返却しなかったとして業務上横領の疑いで、福井市照手１丁目、刀剣類販売修理「勝山剣光堂」の経営者、勝山智充容疑者（４７）を再逮捕した。「預かったのは事実だが横領はしていない」と否認している。
再逮捕容疑は平成２６年１２月ごろ、横浜市の男性（５５）から刀のさやの制作依頼を受け日本刀１本（７２万円相当）を預かり、返さずに横領した疑い。
同署によると、男性は返還を求めたが、勝山容疑者が応じないため昨年１２月、横浜地裁に提訴。今月、返却を命じる判決が出た。
勝山容疑者は福岡県久留米市と富山市の男性から預かった日本刀を横領したとして今年５、６月に２度逮捕された。同様の被害が約８０件寄せられており、福井署が調べている。
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という事件です。
この事件はいまだにすべては解決しておりません。
自分はちょうど2015年の年末ごろに新しく購入した大刀（無銘 寿命）の白鞘が少々おかしいので修理ができるのかを問い合わせました。
買ったのはネットオークションですが、以前に数回利用したこともあり、長脇差も購入しており、その時は品物に不備はなかったし、いつでも返品に応じるとのことで何かあっても行ける範囲だったことから御刀自体は気に入ったので購入しました。
説明にも白鞘に少々難ありともありましたので、安心していました。
さて、届いた御刀は古研ぎで少々引け傷もありましたが満足のいくものでした。
しかし、白鞘が鯉口で上下に5㎜くらいずれてました。
そこが気に入らず、「勝山剣光堂」に問い合わせしたところ、下記の返事がきました。
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問い合わせいただきまして誠にありがとうございます。
修理は可能です。
まずは現物をお送りください。
お見積もりに関して、実際の品物の状態を確認してからでなければ正式なお見積もりができません。
もし差支えが無ければ、お手数おかけしますが当社(下記住所)まで対象の品物をお送りください。
あるいは当社店舗まで直接、お持ち込みいただいても結構です。
送付の場合刀身や登録証および周辺部品の全てをできるだけ同梱してください。
(同梱部品によっては仕上がりに大きく影響します)
(各部品を使用するか、しないかは当方で判断させてください)
運送会社の出荷伝票には「工芸材料」と記入してください。
(表記方法によっては荷物を受け付けてもらえない場合がございます)
到着次第に拝見してから、品物のグレードに応じた、最善の修理プランのいくつかをご提案させて頂きます。
各修理プランに応じた正式なお見積もりをさせて頂きます。
お見積もり確定後に作業となりますが、お支払いは作業完了後で結構です。
(場合によっては前払いとなるものがあります)
見積りが折り合わなければ保留、交渉、ご返却となります。
また、ご予算に合わせた作業をする事も可能です。
修理のグレードや種類が複数パターンございます。
お客様の希望するグレードなど許されるご予算を先に提示して頂いて修理する
方法です。
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とのことでしたので、送りました。
すると下記のような返事がきます。
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さて、白鞘ですが、拝見しましたところ
これは完全に壊れた状態の白鞘です。
鞘の鯉口は割れてヒビが入っております。
鞘の内部に油染みがあります。
目釘孔も以前の穴の位置がズレているのと、ハバキそのものが破損させてしまっているセイで、ガタが発生しております。
これを調整しても完全には合致させることは不可能です。
ある程度の改良をする程度で、精密な完成度は期待できません。
つまり、この白鞘は改造されて無理矢理に装着されている可能性があり、ここからの調整と修理は可能ではございますが、その効果は低いと思います。
耐久性は精々で数年程度です。
もしも私でしたら新規で作り直してしまいます。
●厳密には（ハバキ）も作り変えるべきです。
まずはハバキが刀身に密着していないのが原因です。
ハバキにガタがある以上は鞘や鯉口をいくら合わせても、 ハバキのゆるみから当然ズレが発生するのです。
修理
ハバキ調整＋鞘清掃＋加工調整＋目釘孔調整 30,000円～
新規作成白鞘
ノーマルタイプ 42,000円
角入タイプ 48,000円
ハバキ新規作成
銅一重 3,9000円
銀一重 4,6000円
金一重 7,5000円～
という感じですが、いかがでしょうか？
ご意見をお聞かせください。
剣光堂
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との返事。これを売主に伝えたところ、確かにずれているがしっかりした白鞘で一度戻して貰えば修理するとのことでした。
従いまして、剣光堂には先方が修理するので返却してほしい旨のメールを出しました。すると、下記のような返事が来ました。
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そのような理由が有るのでしたら、了解しました。
それでは、「修理費用は先方様（旧所有者）が負担される」ということで理解しました。
つきましては、先方様の氏名連絡先をお知らせください。
九枚笹さまのご指示のとおり対応を切り替えさせていただき請求費用は先方様に直接ご請求します。
ちなみに先方様の修理内容はどのようなプランで受理されたのでしょうか？
いわゆる（簡単でお安い修理）微調整程度でよろしいのでしょうか？
それならそれで、最初にハッキリとご希望やご予算を仰って頂かなければ当方も困惑します。
私共は立場上、御刀にとって最良の状態を考えなければなりません。
ゆえに、お客様の気持ちを満足させるためのサービス業ではなく文化財優先でありお客様の都合による諸事情は優先項目に該当しないのです。
ご不満かもしれませんが、興味本位で御刀を触る以上はその責任が九枚笹さまにも
発生して然ります。
御刀優先に考えられない方々は、自分の都合で御刀を犠牲にし、自己満足を得ようとします。
このような方々は御刀に触れてはいけませんので厳しく指導させて頂きます。
ご返却については、お見積手数料等の発生に伴い、ご清算が必要となります。
お客様の都合で趣旨の変更は結構ですが、
元々の目的そのものを勝手に変更するとなると問題も大きいかと存じます。
今後は少し厳しい対応となりますが、
ある程度の御覚悟をお願いします。
剣光堂
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と、一見しごく真っ当なことを書いているように見えますが、まず相手先から費用をもらうように指示もしてないし、見積もりの清算費用など言ってきました。
よくよく読みかえすとガラリと態度が変わってますよね。
この時、自分はお人好しなのかバカなのか、御刀の事を考えて新米の自分に厳しくしているのだろうと思い、お詫びと共に新規に白鞘とハバキの作成を言われるとおりに頼んでしまいました。
元の売主にはこちらで修理すると伝えたところ、申し訳なかったと一部返金してくれました。ちなみに近年拵えのみを買ったのも同じ方です。
ネットでのやり取りですが、信頼できる方と思っております。
改めたメールでは下記のような内容でした。
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当方は厳しいことを申し上げましたが、
御刀を大切に思ってくれているお客様なら喜んでお引き受けいたします。
ただし、次々に状況が変化する中で、九枚笹様が右往左往されますと、やはり最終的にはトラブルとなってしまうでしょう。
懸念材料がある限り、当方はそれらを回避しなければなりませんのでご了承くださ
い。
ゆえに、最後までしっかりと貫かれますことを願っております。
それでは
白鞘 新規作成（角無しノーマルタイプ）
ハバキ 新規作成（銀無垢一重）
御予算 １０万円以内希望
期間 約４ヶ月～程度（あくまで目安です）
お支払 仕上がり後 後払い
との内容で正式に承りました。
仕上がり次第に写真画像でご報告いたします。
それまでお待ちください。拝
＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝新規白鞘と銀無垢のハバキで10万円以内はまぁ、普通程度かちょっと高いくらいだと思います。でも最初の見積もりよりは高いし、実際に10万取られました。
しかし、ここまではまだ良かったほうなのですが、のちに自分の人生最大級の失敗をすることになります。（続く）
