「仁義なき戦い」だけにあらず 改めて見たい“辰兄ィ”作品
60年代末以降はコワモテキャラが一段と強化されていくが、テレビドラマ「前略おふくろ様」(75年)あたりを契機に、市井の兄貴分が似合っていく。ワルになりきれないマイルドさは、極度の不良性が要求される東映カラーとは別の個性へと変化を遂げていく。「辰兄ィ」がそこにいた。
極め付きの作品を挙げよう。深作欣二監督の傑作「県警対組織暴力」(75年)だ。彼の押し出しが強く、端正なエリート刑事役が見事だった。
梅宮辰夫さん。本当に多くの映画をありがとうございました。