東京五輪の選考に関わるレスリングの全日本選手権第2日は20日、東京・駒沢体育館で男女23階級があった。3大会連続の五輪出場を目指す男子86キロ級の高谷惣亮(30)=ALSOK=は危なげなく決勝進出。相手の特徴を見極めた「IDレスリング」で今大会9連覇を目指す。
ベテランらしい試合運びでの勝利だ。準決勝の山田修太郎(山梨学院大)戦では「足を使ってバテさせて最後にとる」の戦略通り、後半は相手に何もさせず、8―0の完勝。「及第点のレスリングができた」と笑った。
9月の世界選手権が教訓になった。3回戦で伏兵のサンマリノ選手に惜敗し五輪切符を逃した。「SMR」の国名を見て、高谷は「サモアの選手だと思った」。情報不足も敗因の一つだった。「レスリングは情報戦。あの負けを生かしたい」。相手を入念にリサーチし、今大会に臨む。
高谷は「東京五輪の金メダルは予約している。ここは通過点」。大人のレスリングで21日の決勝も制し、まずは3月の五輪アジア予選の切符を手に入れる