「スプラトゥーン」の中毒性が極端に高い理由

家族の絆をも壊すその特殊なゲーム設計

「スプラトゥーン2」には、ゲーム中毒を引き起こさせてしまう要素があった(写真:Wachiwit/iStock)

2017年7月に発売されたNintendo Switch用シューティングゲーム『スプラトゥーン2』がいまなお爆発的な人気を博している。日本国内売り上げは308万本(2018年9月時点)。Nintendo Switch本体の国内売り上げが約500万台(2018年9月、ファミ通調べ)なことからも、どれだけこのゲームが人気なのかはわかるのではないだろうか。

陣地をペンキで塗り合い、その広さを競うゲーム(筆者撮影)

実に、Nintendo Switchを持っている人の5人中3人が「スプラトゥーン2」を購入しているのである。

このゲームが老若男女かかわらず浸透していくに従い、その特徴的なゲームデザインにより「依存症」になっている事例を耳にすることが多くなってきた。

今回は「スプラトゥーン依存」の家族に苦しめられた2つの事例を紹介するとともに、なぜそのような中毒状態が引き起こされるのかをスプラトゥーン2のゲーム設計をひもとくことで考えていきたい。

夜な夜な「殺すぞ!」と叫ぶ夫

ともみさん(仮名)の夫、誠さん(仮名)は仕事から帰宅すると毎日7時間、深夜3時まで「スプラトゥーン2」をプレーするようになった。もともとは2017年の冬に小学生の長女りんりさん(仮名)のクリスマスプレゼントに買ったものだが、りんりさんがプレーする時間は皆無となった。
誠さんがプレーするのはリビングのテーブルの上。自分の意に沿わないゲームプレーをする味方に対して「塗れ、塗れ! 塗りまくれ! お前なにやってんだよ!」「殺すぞ!」など罵声とともに床を踏み鳴らす行為を毎日のように繰り返した。
その音は家中に響き、家族は不眠に陥った。最初はスプラトゥーン2に興味を示していたりんりさんも「パパ、異常」とあきれ果てた。
深夜の怒鳴り声にともみさんが「声がうるさいから、ほかの部屋でやってほしい」と言うと、誠さんは「俺は稼いでるんだ! ゲームくらい好きにやらせろ!」と約10分間にわたってキレた。りんりさんは父親の暴言に毛布をかぶって震え上がった。そこで、ともみさんは改善自体を諦めた。
この状況は1年経っても変わることはなく、夫婦関係は冷え込んだ。

上記は、実際身近で起こった「ゲーム障害」が家族の輪をむしばんだ例である。

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  • NO NAMEd0971d830792
    ほとんどのオンラインゲームについて言えることを、スプラトゥーン特有の問題のように書いた悪質な記事。こういうのを問題にするなら、破産するまでスマホゲーのガチャに注ぎ込んでる人のことや、無課金でスマホゲーを遊ぶために生活破綻している人のことも書かないと公正でない。
    up600
    down85
    2019/1/26 16:36
  •  ec0d2ae4f674
    まずたくさんの2次創作が生まれて関連商品が全て入手困難になるほど魅力的な世界観、それと4vs4という絶妙な人数でのチーム戦、それと塗り、という新しい概念で「エキサイティングな試合」が常に生まれる。
    意図的にマッチングを早くして試合毎のテンポを良くすることにより、負けた試合を引きずらずにポジティブに次の試合に臨むことができる。

    いろいろ挙げたけど、要するに「スプラトゥーンにしかない魅力」があるからスプラトゥーンは人気になるわけで、そんな手垢がつきまくったソシャゲの手法でヒットできるのだったら誰も苦労はしないし、全てのソシャゲがスプラトゥーン並みにヒットしてるはずだろう。

    これは最近のスラングで言うところの「エアプ」つまりプレイしたことが無いんじゃないかってくらい知識も理解も不足した記事でしかない。

    up442
    down32
    2019/1/26 18:18
  • NO NAME814fb495ca8b
    この文章書いた人、スプラトゥーンほとんどやってないでしょ。
    考察的内容が的外れすぎて草。
    事例以外はまったく面白くない。
    up400
    down31
    2019/1/26 20:09
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