シングルスケーターとして最後のSPで、来年アイスダンスに転向する高橋が、持てる力を振り絞って滑り切った。今季最初で最後の競技会となる全日本選手権は、2005年の初優勝以来、07年の3連覇を含めて5度制している舞台で、一時代を築いた場所だ。
「緊張感から体が動かず、自分の演技を魅せることができなかった。これが全日本の緊張感なのかなと感じた」
SP「ザ・フェニックス」は激しいテンポの曲調で、「世界一のステップ」を誇る踊りの名手にとっても、究極のチャレンジングなプログラムだった。演技終盤は疲れが足に来たようで失速。本来の輝きを見せられず、合計65・95点の14位で22日のフリーを迎える。
「試合としては全日本に立つことはすごくぜいたくなこと。最後に思い切り、一人で滑ることの体感を楽しんで滑りたい」
万感の思いを込めたシングル競技のラスト演技が見たい