男子SPで羽生結弦(25)=ANA=が首位に立ち、110・72点は非公認ながら自らの持つ世界最高得点を上回った。
スタンディングオベーションが止まらない。羽生が4年ぶりの全日本で圧倒的な強さを見せた。国内大会のため国際スケート連盟(ISU)非公認ながら、自身が持つルール改正後のSPでの世界最高得点を上回った。
この日はジャンプを跳ぶ順番を変更。これまで最後に跳んでいた4回転トーループ―3回転トーループの連続ジャンプを2本目にして、トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を最後に回した。基礎点を0・57点低くしてのマイナーチェンジは高い美しさを求めて、出来栄え点の加点をより多く獲得することだった。
「きれいに跳んでこそのプログラム。ジャンプの出来栄えを良くしたらプログラム自体が栄えると思った」。狙いははまった。冒頭の4回転サルコーで4・30点、連続ジャンプで4・34点と高い加点を獲得。連続ジャンプは9人のジャッジのうち5人が最高の5をつけた。この結果を確認した羽生は「おおむね満足してます」と胸を張った。
今大会は五輪メダリストになってから高橋大輔、宇野昌磨と戦う最初で最後の機会。2人以外の選手にも滑りで敬意を表したいと思っている。もう、疲れは気にしない。「明日をしっかり調整にあてて、フリーについて考えます」。もちろん、目指すのはSPと同じ最高の演技だ。