まず、現代の四足歩行動物で最も早いのはチーターです(112km/h)
彼が瞬間的に速い動物といえど、難度100~150の
虎でさえLv8(難度24程)なのですので。
そして同程度のレベルで防御型の
私達がヤムチャだとして、目で捉えられないほどに速いという描写なのでしょう。
Lv100の戦士系守護者はもっと速いのです。
本作品の設定ではセバスが最速で、時速1000km/hを音速を超えるとしています。
ソニックブームすら武器に戦うとか、カッコよくないですか?
セバスだけドラゴンボールの世界に居る感じになってしまいますが。
残念なのはその設定を使う機会が無い事です。
基本的にNo more 暴力!なので
―――― エ・ランテル北部
「なんだか済まないな、マーレ。」
「いえっ!モモンガ様のお役に立てて嬉しいです!!」
木材と石材が順調に確保できるようになって来た頃、次は開拓村までの街道を整備するためにマーレの再召集とデミウルゴスを呼んでいた。
「植物や大地の事といえばマーレが最も相応しいですからね。
私としては羨ましい限りですよ。」
恐縮するマーレとは反対にデミウルゴスからは本当に羨ましいという雰囲気が漂っていた。
今までであればそういう雰囲気を表に出すことは無かったが、これも守護者達と心の距離が近くなった証拠なのだと思うと嬉しくも思う。
「デミウルゴスには随分働いて貰ったからな。
他の者にも仕事を与えなければデミウルゴスばかり優遇されていると思われてしまうのだ。
許してくれ、デミウルゴス。」
デミウルゴスには王国、帝国の諜報、アゼルリシア山脈の調査、アベリオン丘陵の傀儡化、聖王国、竜王国の調査など情報に関することの殆どを任せている。
スレイン法国に限っては、プレイヤーの匂いが濃いため内部の調査は未ださせてはいないが。
「許すなど滅相も御座いません。それに、思い起こせば多くの仕事をさせていただきました。
悪魔といえども欲の掻き過ぎは身を滅ぼしてしまいますね。」
「今しばらくは英気を養ってくれ、休戦期間の5年が過ぎる頃にはデミウルゴスに謀略の仕事を任せる事になるだろう。」
「はっ、モモンガ様から勅命を頂く際には万全を以って事にあたらせて頂きます。」
「ああ、頼むぞデミウルゴス。
――――さて、マーレ。早速だが頼めるかな?」
「はいっ!
マーレの魔法によって小高い丘や小さな窪地が見る見るうちに平地へと変っていく。
都市作成ゲームで平坦ツールを使うかのようだ。
無意味にこんな事をしているわけではない。
街道は馬が馬車を引いて通れるように、ある程度平坦無くてはならない。
それ故にエ・ランテル、エ・ペスペル間も街道がぐねぐねとうねっているのだ。
(まぁ、川沿いというのも重要なファクターではあるが。)
その高低差をマーレの魔法によって取り除く事で、可能な限り直線道路を作る事が出来る。
これは普通の馬よりも
曲線が多ければ最高速度を出すのは困難になる。これは輸送を行う生物であれ機械であれ同じ事だ。
馬と
つまりは私から
慈善事業に見えてそういった布石も準備しているのだ。
もちろんデミウルゴス案なんだけど。
「モモンガ様、このように道幅の広い道路はエ・ランテルから八方に向けて放射状に広げるんですよね?」
「うん?そうだぞマーレ。何か気になる事でもあるのか?」
「いえ、ここから開拓村をどうやって作るのかなって。
道路沿いに開拓村を造った場合、エ・ランテルから離れるほどに街道間の距離が広がっちゃいますし……」
「フフフ、違いますよマーレ。モモンガ様、私が説明しても宜しいでしょうか?」
「ああ、任せるぞデミウルゴス。」
「有難う御座います、モモンガ様。
マーレ、この道は基幹道路としての機能を持たせます。王国では『王の道』帝国では『皇帝の道』と呼ばれているものですね。
これは差し詰め『大公の道』とでも呼びましょうか。
そしてこの『大公の道』から側道を作って開拓村へと繋げてゆくのです。」
「ということは、この道を作った後にもこうやって石を敷き詰めて開拓村までの道を作るんですか?」
「道は作りますが、石材の敷き設はしない予定ですよ。」
「どうしてでしょうか?」
「それはね。この石材を見てごらん。」
デミウルゴスはジャック・ザ・リッパーが切り揃えている横20cm、縦10cm、厚さ5cmのレンガの様なサイズにした石材を手に取る。
「全部この大きさにして、敷き設していますよね?
それと関係があるんですか?」
スライムの三吉君が除草をして、3体の
「全部の石材が一定の大きさである事に意味があるのですよ、マーレ。」
「う~ん…………あっ!もしかして共通規格の概念を教えてあげるんですね!!」
「その通りだよマーレ。折角だからその先の答えまで言ってみてごらん。」
パチパチと出来の良い生徒を褒めるようにデミウルゴスは拍手する。
そしてマーレが気付いたであろうその先も敢えて答えずに、マーレの答えを促す。
「自分達の村まで伸びる道は開拓村の住む人たちが、頑張ってレンガを作って道を完成させるんですよね?
そのときに規格が決まったレンガだったら作りやすいですし、他の村や街で作ったレンガを買って使うことも出来て、共通規格の意味を実感として学ぶ事が出来るんですね!」
「そうです。さらには、自分達の手で村をより良くして行く。または税金を使用して公共事業として行う事も出来ます。
払った税金が自分の環境を良くして行くと分かれば、納税に対する意識も少しずつ変化していくでしょう。」
「モモンガ様がお造りになられる完成形の『大公の道』があれば目指すべき形も分かりますしね!」
「その通りです。全てを用意してあげては飼っていると同義になってしまいます。
私達に誘導はされていますが、敢えて未完成にして自分達の力で完成させる。これが大事なのです。」
因みに今作っている道も経年劣化で石材が壊れるだろう。
その後の補修は200x100x50のレンガを購入して補修、または何処かのギルドに委託する予定だ。
俺達だけが儲かる仕組みであってはいけない。
「そういえば、エ・ランテルとエ・ペスペル間の街道に宿を作る計画だったが、あれはデミウルゴスに任せてもよかったのだったな?」
「行商人や旅人が泊まる宿ですね。えぇ、アルベドからもそう伺っております。
コンセプトとしては3階建ての素泊まり宿で、最低限の酒と肉の塩漬けなどの保存食を置くつもりです。
管理者はモモンガ様から頂戴しました
尚、宿泊料以外は相場より高めを想定しております。本来であれば街で十分に準備するのが正しい姿なのですから、それを怠った勉強代として頂戴するつもりです。
馬車を利用する商人の為に厩舎も建設しておきます。」
「ふむ、私の領を根城にする盗賊は大体逃げたか始末したからな。商人の行動も活発になるだろう。」
エ・ランテルとエ・ペスペル間は直線距離で200kmほどだ。
この世界の商人は毎日50km程移動するから、宿屋は3箇所建てることになっている。
建設費も人件費もかからず、仕入れは日持ちするものばかり。
ベッドは藁だが、編んで
綿、亜麻、麻が欲しいところだが、アインズ時代に栽培していなかったからな。
使う分くらいは栽培しておくか。
「先ほど休めといったばかりなのに忘れていたよ。許せ、デミウルゴス。」
「許せなど、勿体無きお言葉。
街道敷き設の使命を負った身、宿整備もその一環だと思っております。
ちなみに、エ・ランテル~エ・ペスペル間だけで宜しいのですよね?」
「あぁ。どれ程の効果があるか、改善できる点が洗い出すためにも数は絞った方がいいだろう。」
何事もテスト(効果確認実験)は大事だ。
「た、楽しみですね!モモンガさま!
きっと商人や旅する人は喜んでくれますよ!!」
「そうだな。そうなるようにしないとな。
マーレ、デミウルゴス。これからも私を支えてくれると嬉しい。」
「勿論で御座います、モモンガ様。
我々はモモンガ様に御仕えするためにここに居るのです。
永遠の忠誠を御受け取り下さい。」
「ボ、ボクもですっ!!」
(街道間に立つ3つの宿屋。どのような結果が得られるか、楽しみだな)
誤字報告ありがとうございます。
●出来事
トブの大森林:森林整備、高級木材確保
アゼルリシア山脈:北部の岩山を切削中、高級石材確保
商談:マイル卿、ヤード卿(建材の取引中)
New!
エ・ランテルから放射状に主要街道を敷き設(大公街道)
エ・ランテル~エ・ペスペル間に3件の宿屋オープン