Vol.4 混泳


一つの水槽に、同種は1種までが基本と言われています。しかし人気があり、綺麗な魚の多くはキンチャクダイの仲間であったりして入れたい魚を選んでいくと同種混泳になる場合はほとんどではないでしょうか。

しかし自然界ではペアや群れで泳いでいる種類でも、水槽内では勝手が違うのか、同種混泳は成功しないパターンが多いです。更に海水魚は片方が死ぬまでボロボロにしてしまう事もありますし、攻撃を受けている方は衰弱していき餌どころでは無くなります。又、呼吸数が上がりっぱなしになるのも危険です。

その為、何らかしらの工夫をしてやる必要があります。しかし、駄目な時は駄目なのであしからず・・。



混泳する為の一工夫






この辺りが有効な手段です。ちなみに、水族館などで見かける大量のヤッコを混泳させているケースは、それなりの濾過能力と、大型殺菌灯、過密である事による縄張り意識の分散などの条件によって成り立ってくるので今回は除外します。

①大きい(強い)個体は後から入れる

これは基本的な事です。先住魚の方が大きい(強い)個体の場合は後から入れた小さい個体が一方的に負けてしまいます。尚、多少の体格差では、たとえ小さくても縄張り意識のある先住魚が新規導入魚を攻撃してくる場合も多々あります。

②レイアウトを変更する

一般的に先住の個体には縄張り意識が芽生えています。新規導入をする際にはレイアウトを変更する事で縄張り意識をリセットします。水流の変化をつけるのも有効な手段です。

③隔離ケースでお見合い

90cm水槽であればビックフィッシュボックスなどの隔離ケースを使う事が出来ます。先住の強い個体を隔離するか、新規導入魚を隔離するかはケースバイケースです。

④夜に作業を行う

夜に新規導入魚を放す事で、先住からの猛攻撃を防ぎます。

⑤目くらまし

パープルアップなどで水槽全体を濁し、その隙に新規導入魚を放しますw

恐らく90cmにおける大型ヤッコの混泳であれば、①~⑤の方法をとれば大分、成功率はあがると思います。どれも共通しているのは 「環境に変化」をつけ先住魚の意識を散らし、新規導入魚の順応をアシストするという事です。ただ2匹以上の混泳になってくると、魚関係も複雑になってきますのですんなりとは行かないかもしれません。そんな時は隔離水槽(サブタンク)があると非常に便利 で様々な混泳にチャレンジする事ができます。



水量の壁

小型ヤッコ同士の混泳に60cm水槽等で挑戦すると、たった2匹の混泳すら上手くいかない場合があります。小型ヤッコの仲間はカラフルでかわいい外見の種類が多いので混泳させたら華やかになるとは思いますが、 60cm規格水槽の水量が少なすぎる為、どんな方法を使っても無理な場合もあります。