ラテンフリースタイルという音楽のジャンルがありました。
盛り上がってたのは、1980年代中頃から、90年代初めの頃でした。
カバーガールズの「Show Me」や、シャノンの「Let The Music Play」など、ヒット曲もありましたよ。
今から思い起こすと、かなり弱小ジャンル。なので、ラテンフリースタイルについては、間違った認識が浸透してます。
よくあるのが、「ハイエナジー・ユーロビートのテンポ遅いヤツ」と思われてる事。
これについては、原因に察しがつきます。「当時流行っていたダンスミュージック集」なんてのが発売されると、ハイエナジー・ユーロビートに混ざってラテンフリースタイルも収容されるものなのです。ほら、ヒット曲もあったしね。
だから、資料や情報から当時を追体験している若い人には、「ハイエナジーの遅いの」みたいな捉え方にされてしまうのですよね。
ラテンフリースタイルを再定義した「トンカカ」にも、ハイエナジーが多く混ざってます。トンカカが、ただの「80年代の懐かしい音楽」みたいな拡大解釈になってしまってます。
もともと、音楽のジャンル分けなんて、どうでもいいものだけどね。
2012年現代に置き換えて、分かりやすく大げさに言うと「ダブステップって、ドラムンベースの遅いヤツでしょ?」みたいな感じですよ。知ってる人が、そんな言葉聞くとおかしいと思うでしょ。それが四半世紀後の2037年には、若い人には同じに聞こえるかも、ってこと。
では、分かりやすいラテンフリースタイルの特徴を述べましょう。
キックの数が多い。横ノリ。ハットが16分音符でずっとなってる。
中には、四つ打ちのラテンフリースタイルという例外もあるから、あまり学術的に受け取らないでね。
ハットの特徴から、ノンセクトラジカルズでは当時から、ラテンフリースタイルのことを「つくつく」と呼んでました。
テンポ的には、110bpm前後から120bpm台。
マイナーな曲調。
タイトルに「Never」「No」「Don’t」など否定の言葉が多いという報告もあります。これ、おもしろい。
新宿の東亜会館にDJ勤務していた頃など「三好は、ニューヨークビート続く事が多いので、少なくしろ」と注意された事もあります。ラテンフリースタイルには、そんな言い方もあるんですね。
ラテンフリースタイルの素晴らしさは、「エディタに恵まれていて、エディットの世界的遺産の宝庫」になってること。
ノンセクトラジカルズは、そのエディットの洗礼を受けてしまったので、いまでも、ラテンフリースタイル風味の音作りになってます。トンカカです。つくつくです。
ラテンフリースタイルに興味を持ったら、是非、聞いてみてくださいね。現代でも新曲は作り続けられてるとか。
いぬ (MIYOSI, Fumi)