2019年12月21日

加害者が「国民的とうさん」だったら戦えるか?

NHK再放送ドラマ「大草原の小さな家」の #MeToo 案件
http://lttlleo.seesaa.net/article/471602175.html

TVシリーズ「大草原の小さな家」は人気長寿番組で、
演出と主演のマイケル・ランドンは「国民的とうさん」だったはずだ。

※主人公はローラだが、主演は父チャールズを演じたランドンである。
※主演とは出演時間の多寡よりも、芸能界の重鎮のものなのだろう。

チャールズは良き父、良き夫、良き家庭人として現代の理想像、
であると同時に、
開拓者の典型像、開拓者魂、アメリカ人の郷愁をさそう心の源流、
それを、
ランドンは10年にわたりアメリカ国内外の家庭に届け続けたのである。

ドラマ制作が終了した後も再放送が繰り返され、
海外である日本でも、NHKがデジタルリマスター映像で再放送している。

ランドンは #MeToo を勢いづかせた告発の、ワインスタインよりずっと手ごわい。

ワインスタインを敵にすれば芸能界に居場所はない。

ランドンを敵にすれば芸能界はおろか、視聴者がいるところどこにも居場所がない。

アメリカ国民はじめ視聴者が心地よく共有してきた像を汚すものとして、
瞬時に否認と反発が起きる。
被害者が像を汚すのではない、像の実体が汚れている、
なのに非難と憎悪が被害者に向けられる。

「ランドンが演じたチャールズ」が素晴らしいのであって、
「チャールズを演じたランドン」はとんでもない野郎だ、とは、まずならない。

ドラマ放映中から、役と役者を混同する視聴者がたくさんいた。
ネリー・オルソンを演じた子役~女優は
「ローラに意地悪しないで」と書かれた手紙をたくさん受け取ったそうだし
(だから事務所が手紙を検閲して渡すようになるんですよね)、
彼女には「いじわるネリー」のレッテルが長く強固に貼られていたらしい。

※実際には、ローラ役と会ってすぐに意気投合し、ずっと親友だったそうだ。

「役柄→役者」ですらそうなのだ。

「とうさん(のランドン)」が「メアリー(のメリッサ)」に
【撮影現場のトレーラーの中で性加害していた】など、誰が信じる?

高畑裕太の性犯罪も
山口達也の性犯罪も
被害者への二次加害の嵐。
ありとあらゆる非難攻撃侮辱嘲笑が被害者に向けられた。

日本だけが二次加害が特別に酷い?
相対的にはそうかもだが、
絶対的に世界的に酷いから被害者の沈黙がずーっとあるわけでしょ。

映画は現実を取り入れて作られる。
1988年 ジョディ・フォスター主演「告発の行方」原題:The Accused 
2001年 アンディ・ガルシア主演 「沈黙の行方」原題:The Unsaid 

日本でランドンにあたる役者がいるだろうか。
うーん、国民の心、の象徴になるような役者、いるかなぁぁ・・・・・・
えええええーと、こういう時こそ象徴天皇?

あぁそうだなぁ、
自分は現天皇を人としてかなり好きなんだけど(天皇制には反対です)、
好印象のかなりの部分を占めるのが、雅子様への敬意と尊重と愛情(を感じること)なので、
もしそれが虚像でしたなんてことになったら、すぐには信じられないだろうなぁ。
最終的には弱い立場から告発した人を信じると思うけどね。

あるいは、
自分は役者の中では中井喜一さんが別格で好きで、
その中井さんがなんて話になったら、もっとショック受けるわ。
まぁそれでもやっぱり最終的には同じく信じたくないけど認める、になると思う。

※これ全部「仮定での、こちらの心情の話」だからね! 
天皇と中井さんを中傷したなんていうデマは絶対にやめてね!!!

皇室報道と共同幻想(賛同だけを演出するカルト)
http://lttlleo.seesaa.net/article/471051583.html
おじさんだから素敵 な気がする俳優
http://lttlleo.seesaa.net/article/464491080.html


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posted by Erin at 00:00| Comment(0) | #metoo・性暴力 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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