野生動物保護にAIの力を──Googleが野生動物用画像認識ツールを開発、保護活動家の大きなサポートに
物陰に隠れた動物もAIが検知してラベル付け
自然保護という観点から年々重要性が増している野生動物の保護。そのオペレーションで重要な要素の一つが、どの地域にどんな動物がどのくらい生息しているのかを知ることです。ただ、人が立ち入っての調査では動物に警戒されてしまい、本来の生息地や個体数を把握するのが難しくなります。
そこで、保護活動家や研究者たちは、動物が生息する地域に動く物に反応して撮影するカメラを設置して動物を撮影し、その画像を基に個体数を調べます。しかし、個体数のカウントは手作業で行うため、膨大な時間がかかります。また、物陰に隠れて見えにくい動物を見逃してしまうことがあり、動物が写っていない画像をより分けて削除するのも大きな手間でした。
そこに手を貸したのがGoogleです。同社は「画像にどのような動物が写っているのかの分析」と「写っていない画像の削除」という2つの処理をAIが自動的に行えるようトレーニング。WWFやスミソニアン博物館などとコラボレーションした野生動物保護プロジェクト『Wildlife Insights』用にツールとして提供しました。
AIが自動解析することで効率的に個体数の調査が行えるため、これまでよりも迅速な保護活動が可能になったとのこと。
Googleは今回の取り組みを始めるに当たり、アフリカや南米地域で約450万枚の画像を撮影。Wildlife Insightsのサイトでは、この画像や解析データが閲覧でき、現在は約614種の動物を見ることができます。中にはチーターの親子の仲睦まじくじゃれ合う姿など、貴重なシーンも閲覧可能です。
また『Wildlife Insights』のカメラデータは、アカウントを作成すれば誰でもアップロード可能。データが集まれば集まるほど有用な解析が行えるため、多くの研究者の参加を求めています。
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