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 首相主催の「桜を見る会」に会長が招待されたとしてオーナー商法の勧誘に使っていたジャパンライフ(東京、破産手続き中)の被害弁護団は18日、安倍晋三首相に対して「招待した経緯について誠意をもって説明すべきだ」と求めるなどの声明を出した。東京地裁であった債権者集会の後の記者会見で明らかにした。

 声明では、桜を見る会の招待状が宣伝や勧誘に使われていたため「多くの被害者が信頼できる会社と誤解した」と指摘。多くの政治家に政治献金を行っていたとも触れ、「献金の原資は被害者の生活資金。議員は速やかに破産管財人に返還すべきだ」とした。

 これに対し菅義偉官房長官は、18日の記者会見で「声明を把握していない」とした上で、「桜を見る会の個々の招待者やその推薦元については、個人に関する情報であるため招待されたかどうかを含め、答えを差し控えたい」と述べた。また、一般論だとしながら、「桜を見る会が企業や個人の違法、不当な活動に利用されることは決して容認できない旨、国会で首相も答弁している」と説明した。

 また弁護団は、同社の顧問らに顧問料の返還を求めるよう管財人に要請したことも明らかにした。弁護団によると、顧問を務めた元官僚や元朝日新聞政治部長ら計5人に対し、300万~約9千万円の顧問料が支払われたという。管財人側からは返還を交渉中だと明らかにされたという。

 弁護団によると、負債総額は2405億円で、契約者は7千人に上る。だが、税の支払いなどが優先されるため、現時点で回収した資産では出資者に戻るお金がない状況という。

 朝日新聞社広報部は「元政治部長は弊社を2011年に退社しており、(顧問になったと弁護団から指摘されている)13年以降にジャパンライフから顧問料を受け取っていたかどうかは、現時点で把握しておりません」とコメントした。