VPNサーバー機能を持つルーターとDDNS設定が必要
最近は喫茶店に入ってもバスに乗っても、無料利用できる無線LANが用意されている。だが、その多くは暗号化されておらず、情報漏えいのリスクを拭い切れない。そこで利用したいのが、ルーターが用意するVPN機能だ。端的に説明すると、通常「デバイス→無線LANアクセスポイント→インターネット」のところ、VPN機能を使うと「デバイス→無線LANアクセスポイント→VPNサーバー→インターネット」という流れでアクセス可能になる。
VPNの詳細は割愛するが、先の説明を元にするとデバイスからVPNサーバーまでトンネル(L2TP)を通し、パケットを暗号化(IPsec)することで安全な通信を担保する仕組みだ。
VPN環境を整えるには、VPNサーバー機能を備えるルーター、そして外出先からルーターにアクセス可能にするためのD(ダイナミック)DNSが必要になる。DDNSは有償・無償のサービスがあり、また、ルーター自体が備えているケースも少なくないので、環境に合わせて用意してほしい。
さて、Windows 10側の操作はさほど難しくない。一見すると「設定」の操作だけで済むはずだが、筆者が使っているルーターの場合、CHAP v1(プロトコル)の有効化が必要だった。
これでネットワークアイコンのフライアウトからVPN接続をテストすればよい。ただし、ルーターにぶら下がったPCでテストする場合は、スマートフォンのテザリング機能で別ネットワークに接続するか、VPN接続のプロパティダイアログを開いて「全般」タブの接続先を一時的に「192.168.0.1」などルーターのIPアドレスに書き換えるとよい(外でつなぐときと家でつなぐときでIPアドレスが異なるため)。
阿久津良和(Cactus)