男女13階級があり、男子グレコローマン55キロ級では大会史上最年長の49歳10カ月で川口智弘(三重・松阪クラブ)が出場。1回戦で大学生に0―11でテクニカルフォール負けしたが、「ケガをしない限りは試合に出続けたい」と衰えぬ意欲を口にした。
川口は松阪工高でレスリング部に所属。卒業以来マットから遠ざかっていたが、34歳のときに一念発起してレスリングを再開。会社勤めのかたわら週3度の練習を続け、今年は全日本社会人選手権で3位に入り今大会の出場権を獲得していた。
「『好きこそ物の上手なれ』の思いで続けてきた。周りは自分の子どもより年下の選手ばかり。若い選手と試合ができてよかった」。27歳の長男と25歳の長女よりも若い選手と戦い終え、川口は笑顔で汗をぬぐった。
日本レスリング協会によると、従来の最年長出場記録は2009年の男子フリースタイル96キロ級に出場した湯川栄光の「47歳9カ月」とされている。今大会には川口と同じ階級に浅川亨助(山梨・北杜クラブ)が「48歳0カ月」で出場し、大会史上1、2位の最年長記録を更新した。