至学館大監督に復帰して今大会を迎えた栄和人監督(59)は早速3年ぶりとなるセコンドにつき、「生きがいを感じる」と語った。
レスリング女子随一の強豪ゆえに、出場する選手数も断トツ。次から次へとやってくるセコンドの役割を栄監督は精力的にこなした。「セコンドはリオ五輪の(川井)梨紗子の試合以来なんだよ」。当時は協会の強化本部長。国内の試合で教え子のセコンドにつくことは控えていたという。
選手にはインターバル間などにアドバイスを送った。「セコンドに入った最初の試合で負けそうになったときはドキドキした。選手との距離感や結果が出るかどうか心配もあった。勝ちたいという思いを選手が出してくれた」。長い1日を終え、充実感をにじませた。
パワハラ問題で2018年6月に監督を解任された当時は、「すべてを失ったという思いで絶望していた」と言う。どん底からの再登板。東京五輪まで1年足らず、多くの五輪代表、候補を抱える至学館大でリーダーシップを取り戻せるか。