アブラムシの発生原因と生態とは? 手軽に試してみたい9つの駆除方法

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いつの間にか葉に沸いているアブラムシ。無数の小さいアブラムシを見つけると、思わずギョッとしてしまいます。皆さんもそんな経験ありませんか?アブラムシは、数も多いし小さいし取りにくい。アブラムシの駆除って本当に大変ですよね。

ガーデニングをされている方の天敵とも呼べるような、アブラムシの農薬を使わない駆除方法を4つのタイプで9つの方法をご紹介します。

目次

アブラムシについて

農薬を使わないアブラムシの駆除方法
 1. 手動タイプ
 2. 天敵の力をかりる
 3. 窒息させる
 4. 忌避剤

■ 番外編

アブラムシについて

アブラムシは種類によって生態も違いますが、翅(ハネ)のある有翅型(ユウシガタ)は植物から植物に飛んで移動することができます。  翅(ハネ)のないタイプの無翅型(ムシガタ)のアブラムシは、春から秋の間は交尾をすることなく単性生殖のメスだけで増えます。  秋の終わりごろになるとオスが発生、産卵メスとオスが交尾し、メスは卵を産みつけます。春に越冬後の卵から産まれるアブラムシは翅がないアブラムシ。このサイクルを繰り返します。幼虫は10日前後で成虫となり、毎日5匹程度の幼虫を産むそうです。単純計算で考えると成虫になった1匹のアブラムシが、たった3日で125匹に増えてしまいますので、早急に駆除しましょう。

アブラムシが湧く理由

アブラムシは、おもに植物の新芽やつぼみに群生して、植物の汁を吸い、生育を阻害します。さらに、ウィルス病を媒介するため植物にダメージを与え、大量のアブラムシに侵された植物はやがて枯れてしまします。

アブラムシがウイルスを媒介するのは、ウイルスにかかっている植物の汁を吸うと、アブラムシが植物に突き刺す部分(口針)にウイルスが付き、そのあとほかの植物の汁を吸うときに、口針を刺すことでウイルスをその植物に移してしまうことが原因です。

媒介するウイルスの種類は、キュウリモザイクウイルスカブモザイクウイルスなどがあげられます。

そもそも、どうしてアブラムシは湧いてくるんでしょうか。

アブラムシが発生する要因の1つとして窒素分の多い肥料を与えすぎ」という点があげられます。

窒素分の多い肥料を与えすぎると葉で合成されるアミノ酸が多くなりすぎてしまいます。アブラムシはそのアミノ酸が大好きなので、多く作られすぎたアミノ酸にアブラムシが寄ってきます。

もう1つの要因は「株間がせまく密植状態」のときに湧きやすいと言われています。

つまり風通しがよくないということですね。風通しを良くして植物にまんべんなく日が当たるように心がけてください。

アブラムシの種類は、ネギアブラムシ・ニセダイコンアブラムシ・モモアカアブラムシなど他にもたくさんの種類がいます。体の色も緑や黒、黄色など、体調は2~4mm、これもアブラムシ? というほどいろんなアブラムシがいます。

アリとアブラムシ

アブラムシが出す甘い排泄物がアリを誘発するため、放置したままにしておけない害虫です。

また、アリはアブラムシの天敵となるような昆虫からアブラムシを守り、アブラムシを他の植物に移動させたり、お互い共生関係を築いています。

アブラムシの生態

アブラムシは種類によって生態も違いますが、翅(ハネ)のある有翅型(ユウシガタ)は植物から植物に飛んで移動することができます。

翅(ハネ)のないタイプの無翅型(ムシガタ)のアブラムシは、春から秋の間は交尾をすることなく単性生殖のメスだけで増えます。

秋の終わりごろになるとオスが発生し産卵、メスとオスが交尾しメスは卵を産みつけます。春に越冬後の卵から産まれるアブラムシは翅がないアブラムシ。このサイクルを繰り返します。幼虫は10日前後で成虫となり、毎日5匹程度の幼虫を産むそうです。

有翅型のアブラムシが発生すると、別の植物へと移動を繰り返すため、一気に発生してしまうことになります。

農薬を使わないアブラムシの駆除方法

1.手動タイプ

まずは薬剤などをつかわず、自分でとろう! という方法。とても単純な対処方法ですが、アブラムシの発生初期頃なら手で取ってしまうのが確実で早いです。

テープを利用

粘着力が弱めのテープなどを使ってぺたぺたとアブラムシを取り除きましょう。粘着力の強いテープを使用してしまうと、葉が破れてしまったり、枝が折れてしまったり、作物そのものを傷めてしまうことがあります。テープの種類、作物のダメージを考慮して行いましょう。

歯ブラシを利用

歯ブラシを使ってアブラムシをこすり落としましょう。落としたアブラムシを入れるために、そのまま捨てられる容器も用意します。テープを使用する方法と同様、気を付けていないと歯ブラシで作物が傷んでしまうことがあります。新芽や蕾などの柔らかい部分はこの方法は避けた方が良いでしょう。

2.天敵の力をかりる

テントウムシの力を借りる

テントウムシはアブラムシの天敵ですね。テントウムシは1匹あたり10匹以上のアブラムシを捕食するそうです。さきほど書いたように「アブラムシは成虫1匹で1日5匹ほど産む」ということを考えたら、早い段階でテントウムシが1匹いるだけでアブラムシを防ぐことができますよね。何事も早期対策が重要です。

3.窒息させる

牛乳を吹きかける

牛乳をそのままか、もしくは水で薄めて霧吹きに入れて直接吹きかけます。その後、しっかりと洗い流します。洗い流しがしっかりできていないと植物にはよくありませんので、この方法をする場合は念入りに洗い流しましょう。

この方法では、牛乳の膜で呼吸ができないようにする、牛乳が乾燥するときに縮む力でアブラムシが圧迫死するなどと言われていますが、いずれにしてもアブラムシの発生が初期の頃ならともかく、大量に発生した時には対処方法として効果はあまり期待できません。

石鹸水を吹きかける

500mlペットボトル1本に油を2、3摘たらし、台所用洗剤も同等の量たらします。これをスプレーボトルに入れて良く振って混ぜ合わせ、アブラムシに向けてスプレーしましょう。吹き付けた後はしっかりと洗い流しましょう。こちらも牛乳同様アブラムシを全滅させられるものではありません。

4.忌避剤

忌避剤(きひざい)とは害虫を引き寄せないようにするためにするものです。

木酢液を利用

木酢液は、木炭を作る際に出る水蒸気を冷やして、液体にしたものです。ホームセンターや生花店、インターネットなどでも販売しています。

この木酢液は、アブラムシなどの害虫を忌避するだけでなく、土壌の消毒や有用微生物を増やし、植物の根や芽の生長を促すともいわれており、植物の生育に良いとされています。

予防効果と生育のためにも日頃から希釈した木酢液を作物にスプレーしてあげるのは有益です。余ったら、土にそのままかけてあげてください。濃すぎると害になってしまうので、濃度には注意しましょう。

 

ニームオイルを利用

ニームは12~24mの高さにまで育つ樹木です。ニームの花は1~4月にかけて咲き、実は5~8月にかけてつき、その種子から抽出したオイルは古くから虫よけに使用されていました。

木酢液同様、ニームも希釈して植物に散布します。病害虫の発生前から定期的に散布することでアブラムシ等を忌避します。特に病害虫の多いバラに良く使用され、世界的に園芸でよく使われています。ニームを散布することで植物に栄養も与え、余ったら土にそのままかけることが出来るので、木酢と共におすすめしたい忌避剤です。

 

薄めた米酢を吹きかける

目安として米酢500mlに唐辛子5~10本程、ニンニク1片を30~60日ほど漬け込み、その液を300倍程に薄めた米酢を霧吹きで吹きかけます。お酢・唐辛子・ニンニクの匂いで忌避します。米酢は他にもカビの繁殖を防いだり、葉の艶が出たりとうれしい効果が期待できるようです。

 

番外編

光・反射

虫がキラキラしたものを嫌がるということを聞いたことはありませんか?

アブラムシ等の虫は、翅(ハネ)を光が当たる方向に向けて飛ぶといわれています。この習性を利用して、定植後にシルバーマルチやアルミ箔などを近くに敷き、光を反射させることで、下から光が当たるためアブラムシ等は上下の感覚が分からなくなるという性質を利用して防ぐものです。

アブラムシが飛んでくる前に対処しなければなりませんので、ご興味のある方は試してみてください。

アブラムシと共生することを目指す

逆説的な話になりますが、アブラムシを一匹残らず退治してしまうと、まずテントウムシが寄ってきません。そうするとまたアブラムシが発生した場合、テントウムシをわざわざ庭などに呼ばなければなりませんよね。ある程度、作物や植物に被害が出すぎない程度は共生してもいいのかしら、と個人的には思ったりもします。

 

植物が元気に育つと病害虫の被害もさほど気になることはありません。まずは、植物を丈夫に育てることが病害虫の予防と考えましょう。

でも、どうしてもアブラムシが発生してしまったら、薬品を使うことも1つの手段ですが、アブラムシがひどくなってしまう前に、今回ご紹介した農薬を使わない方法で植物を元気に育てましょう!

みなさんのお庭からアブラムシが少しでもいなくなってガーデニングが楽しくなりますように♪

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