ハーブで一石二鳥!グランドカバーに使えるハーブ8選
大宮栞
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庭づくりをしたり、ガーデニングをする時にどうしても手こずってしまうのが雑草。雑草対策ではグランドカバープランツを植えたりもしますが、今回はその中でもグランドカバーとして使えるハーブをご紹介!
目次
グランドカバーにハーブ?
グランドカバープランツは、「地面(グランド)を覆う(カバー)植物」のことで、踏まれても大丈夫な植物や、日陰でも育つ植物、雑草が生えにくくなる植物などが多く、かわいい花が咲く植物から葉がきれいな植物まで幅広く色々な植物があります。
その中でもハーブは、コンパニオンプランツとして役立つもの、サシェやポプリとして使うことができるものなどもあります。そんな優秀なハーブを紹介します。
グランドカバーに向いているハーブ
グランドカバーに向いているハーブの種類をいくつかご紹介します。
ミント
ミントはとても育てやすく、初心者でも簡単に育てることができます。しかし、ミントは繁殖力がとても強く、放っておいてもどんどん広がっていってしまいます。ミントで一面覆ってしまいたい、というのならとても便利ですが、一部だけに植えたい、という場合にはあまりおすすめしません。また、種で増えたミントは元の株より香りが弱まってしまいますので、増やす場合は挿し芽がおすすめです。
ミントにはたくさん種類があり、種類によって香りも違い、異常繁殖しないものもあります。ミントは踏まれても大丈夫な植物で踏まれると葉から良い香りがほんのりと漂います。
ミントが成長してきたらハーブティーや料理などにも活用できます。
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オレガノ
オレガノは、ヨーロッパではバジルと並び人気のあるハーブの一種です。明るい日陰でも育てることができますが、日光を好みます。日光が当たり、多湿を避ければ初心者でもとても簡単に育てることができます。
オレガノの葉は生でもドライでも利用することができますが、ドライの方が香りが強くなります。料理では肉料理の臭い消しやトマトやチーズと合わせて主に使われます。乾燥させれば、ポプリやリーズの材料としても使うことができます。
オレガノはヨーロッパでは古くから利用されてきました。
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アジュガ
アジュガは日陰に強く、寒さにも強い植物です。地面に沿うように葉が開きますが広がりすぎることはなく、グランドカバーの中では比較的おとなしい種類です。春になると紫やピンクの花を咲かせます。
アジュガは、現在は主にハーブとしてではなく観賞用として栽培されています。
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アジュガ
アジュガはシソ科の植物で、暑さ寒さに強く、子株のついたランナーを旺盛に伸ばし、日当たりのよくない場所でもよく増えます。アジュガは地面を覆うように生長する「匍匐(ほふく)性」なのでグランドカバーにうってつけです。春になると低く茂った葉の間から花茎を直立させ、紫やピンクの小花をいっせいに咲かせます。日本では「ジュウニヒトエ(十二単)」が自生しています。丈夫な反面、意図しないところまでアジュガで覆われてしまった…ということも。庭植えの場合、どこまでアジュガを使うのかイメージし、伸びてくるランナーを適宜誘導しながら調整していくと美しく仕上がります。
アジュガは耐陰性のある常緑多年草なので、シェードガーデン(日陰の庭)のグランドカバーに利用できます。花の色、葉の色など多品種があるので、花の咲く時期と花がない葉っぱのみの時期の色を考えた場所に植え付けると、見栄えのする植栽となります。
カモミール
カモミールはハーブティーなどにも使われることの多いハーブです。「カミツレ」という名前でも知られ、中でも草丈の低いローマンカモミールはグランドカバーとしてもよく利用されています。花からはりんごの香りがします。
カモミールは、コンパニオンプランツとしても良く利用されている植物です。様々な植物のコンパニオンプランツとして優秀なことから「植物のお医者さん」とも呼ばれ、弱った植物のそばにカモミールを植えると元気を取り戻すとも言われています。
また、カモミールは「マザーズハーブ(母の薬草)」と言う名前でも親しまれています。
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カモミール(カミツレ)
「カモミール」は、地中海沿岸原産のハーブの一種です。現在では世界中に帰化しています。花や葉を乾燥させお茶にしたり薬用として昔から使われています。育て方は苗と種がありますが、比較的育てやすいため種から育てるのもおすすめです。 ハーブティーにする場合は、飲みやすいジャーマン種をおすすめします。甘い香りは林檎にも似ており、品種は一年草の「ジャーマンカモミール」と、多年草の「ローマンカモミール」があります。花はデイジーのような白い小花を咲かせます。
カモミールは地植えでも鉢植えでも育てる事ができます。地植えにするとこぼれ種で増えていくので群生するカモミールの美しい光景が見られます。
ラムズイヤー
ラムズイヤーは、葉や茎がすべてふわふわの白い毛で覆われていて、子羊の耳のような触り心地の良さに人気があります。半日陰でも育ち、背丈が低く、広がって増えるためグランドカバーにも良く利用されます。
葉にはほのかな香りがありますが、現在では主に観賞用として利用されています。葉をドライにしてポプリやリースの飾りなどに利用されます。
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ラムズイヤー
ラムズイヤーは、トルコからイランににかけて分布する多年草で、近年香りの良いハーブとして人気の植物です。人気の秘密は特徴的な葉。楕円の形は良く見る葉の形ですが、表面はつるつるしておらず、厚みがありふわふわとした柔らかな乳白色の毛で覆われています。この白い毛が羊の毛に似ていることから「ラムズイヤー」の名前がつけられました。鑑賞する場合、葉だけでなく花も見ることが出来ます。葉の中心部から茎が直立に伸び、茎の中心部から先端に掛けて花が付きます。花色は紫、ピンクの淡い色。寒さには強く暑さに弱い傾向にあります。背丈は30cmから1mまで成長します。株で大きくなるので、2~3年に一度株分けが必要です。
ワイルドストロベリー
ワイルドストロベリーはイチゴの仲間で、匍匐枝で横に広がっていきます。半日陰を好み、広がる力は強いため放っておくと他の植物を駆逐してしまうこともあります。
ワイルドストロベリーは、小さいですが食用の甘い実をつけ、食べられるグランドカバーとして利用されています。乾燥させた葉はハーブティーとしても利用されます。
ワイルドストロベリーは、古くから中世ヨーロッパでは、茎の部分は傷の治療に、葉や根の部分は下剤として用いられていたそうです。
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ローズマリー
ローズマリーは、日陰でも日向でもよく育つ、簡単に育てられるハーブの一種です。種類によって草丈が高いものから低いものまであり、匍匐性のものはグランドカバーに向いています。
ローズマリーの葉はほぼ1年中収穫することができ、魚や肉料理の臭み消しとして使われるほか、リースやスワッグ、サシェなどにもよく利用されます。
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ローズマリー
ローズマリーは、地中海沿岸地方が原産の常緑性低木です。ローズマリーは食用から化粧品まで幅広く利用されているハーブです。清々しい香りが特徴のハーブで、煮込みからグリルまで色々な料理に使われています。
ローズマリーは非常に強健で、乾燥した痩せ地でも育ちます。また強風にもよく耐える性質なので、非常に育てやすい植物です。ローズマリーには真っ直ぐ上に伸びる木立性と地面を這うように伸びるほふく性があります。ほふく性のローズマリーはグランドカバーとしても人気があります。ローズマリーは春から秋にかけて、青から青紫、またはピンクの小さな花を咲かせます。ローズマリーの花は環境さえあえば四季咲きです。
クリーピングタイム
クリーピングタイムは、ハーブであるタイムの仲間で、多湿は嫌いますが寒さにも強く、栄養があまりない土地でも元気に育ちます。クリーピングタイムは、タイムの中でも匍匐して横に広がる種類で、地面を這うようにして成長します。
タイムは魚料理などに使われるほか、ハーブティーにして飲まれたり、リースやスワッグ、サシェなどにも使われます。
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タイム
タイムは、シソ科のハーブです。種類が多く、立ち上がり上に伸びる立性のもの(コモンタイム)と這うように生育する匍匐性のもの(クリーピングタイム)に分かれます。一般的にタイムといわれているのはコモンタイムのこと。品種によって異なりますが、春~初夏に小さな花を咲かせます。料理の他にも、花はサシェにも使うことができます。
「コモンタイム」は、肉などの臭み消し、防虫効果、「ブーケガルニ」としてシチューやポトフなどの煮込み料理の風味付けに使われているタイムで、最も一般的なタイムです。野菜売り場のハーブのコーナーで売られているタイムもコモンタイムです。最近はコモンタイムから選抜されてできた品種がたくさんあります。
ブーケガルニとは、簡単に言ってしまえば、数種類のハーブや香りのする野菜をタコ糸などの糸で束ねた香りの束のことを言います。ヨーロッパでは、昔から肉や野菜を入れてコトコトと煮込むような料理にブーケガルニを入れて風味付けをしています。ブーケガルニに使う素材に決まりはありませんが、定番はタイム、パセリ、ローリエの組み合わせ。その他にも料理の種類にあわせて束ねる素材を選びます。日本の食品メーカーからも「ブーケガルニ」という名前で販売されています。
料理やお茶など、食材として利用するためにタイムが必要な場合は、品種名と利用用途(食用か観賞用か)がきちんと書かれている苗を選ぶと安心です。
タイムは品種によって生長の仕方も違います。園芸用として植栽するなら、植える環境にあわせて、下記の性質から、どちらが植える環境にあうかを決めてから品種を選ぶとようにします。
立性・・・立ち上がるように生長します。地植えにすると30cm以上の高さになります。コモンタイムは立性です。
ほふく性・・・這うようにして生長します。代表的な品種はクリーピングタイムです。這うように生長するので、丈は10cmくらいにしかなりません。ほふく性のタイムは、花壇の縁取りやグランドカバーにもなります。
いかがでしたか?ハーブは、その種類によってさまざまな楽しみ方があります。育ちやすい環境やどんな効果があるかを把握して、その環境に向いているハーブを育ててみてくださいね。
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