幻の「任天堂プレイステーション」がオークション出品へ
いったいいくらで落札されるのかは、神のみぞ知るところです
任天堂プレイステーション──90年代前半に任天堂とソニーの提携の成果として制作されたこのCDドライブ搭載スーパーファミコンは、その後の両社の対立によって歴史の闇へと葬られ、長い間幻の存在となっていました。
それが2015年、突如発掘されたのは記憶に新しいところです。しかもその試作機はきちんと動作する状態でした。Engadgetでは当時、実機の試遊レポートを掲載しています。
その世界で唯一の任天堂プレイステーションの実機が今、オークションにかけられようとしています。
任天堂プレイステーションは、債務整理オークションで落札された数多くの品物とともに、テリー・ディーボルド氏の手に渡りました(ちなみに落札額は、75ドルという驚きの安さでした)。それを彼の息子のダン氏が見出し、掲示板Redditでこの見慣れぬハードについて質問したことから、90年代前半の夢と消えた任天堂とソニーの提携の成果の再発掘につながりました。
任天堂は当時、スーパーファミコンにCDドライブを搭載した拡張ユニットを製造しようと考え、当時オーディオ部品で取引のあったソニーに提携を持ちかけました。この提携は結果的には物別れに終わりましたが、ソニーのPlayStation開発につながり、現在のゲーム業界の勢力図を形づくることになったとも言われています。
▲テリー・ディーボルド氏(左)と息子のダン・ディーボルド氏
このハードの発掘後、ディーボルド親子は世界にお披露目する「ツアー」を4年に渡って開催してきましたが、その渡航費用は負担になっていたとのこと。テリー・ディーボルド氏はゲームニュースサイトKotakuに対し「ツアー」で人々に任天堂プレイステーションを見せても「何も生めなかった」後悔を語り、そして「もうお金を失うことはできない」と述べています。
この任天堂プレイステーションには以前にもノルウェーの富豪から120万ドルで購入のオファーがあったそうですが、ディーボルド氏は「税金と残りの債務を支払うとほとんど何も残らないため」断っています。
幻の任天堂プレイステーションはヘリテージ・オークションのオンラインオークションサイトに出品されます。この格式あるオークショニアは過去にもゲームのコレクターズアイテムを扱った実績があり、驚くほどの高値をつけた品物も存在します。たとえば今年2019年に出品された「Mega Man」(ロックマン)のオリジナル版未開封パッケージは、7万5000ドル(約8200万円)という値を付けています。
任天堂プレイステーションのオークションは2020年2月27日にスタートしますが、この伝説のコンソールがいったいいくらの値をつけることになるのか、類例がほとんど存在しないだけに予想をつけづらいところです。ヘリテージのビデオゲーム部門ディレクター ヴァレリー・マクレッキー氏は、オークション成立に自信があるとした上で、その価値は市場が決定するだろうという見方を示しています。
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