木材用センダン 急成長 放棄地と相性良し 2年で4メートル 熊本

苗を植えて1年半が経過したセンダン。180センチの金子さんよりもはるかに大きい(熊本県天草市で)

中山間で植林進む


 耕作放棄地で広葉樹のセンダンを育てる取り組みが熊本県で進んでいる。苗を植えてから2、3年で約4メートルに成長し、放棄地に雑草が茂るのを軽減できる。管理の手間も少なく、高齢でも取り組みやすい。先進地の同県天草市では約16ヘクタールで植林が進み、このうち約2割が耕作放棄地を活用している。(金子祥也)
 

山林より養分豊富


 木材用の他樹種は一般的に、植えてから伐採するまでに50年かかるが、センダンは成長が早く、15~20年で製材にできる。同市の米農家で林業にも携わる金子孝二さん(61)は昨年3月、センダンを植えた。膝丈ぐらいの苗だったが、1年半で4メートルに伸びたという。「杉とは比べものにならない速度だ」と驚く。林野庁も新たな木材として注目。国有林で試験栽培に乗り出している。

 普及を進める県天草広域本部が適地として注目するのが、中山間地域に増えている耕作放棄地だ。「中山間の農地は条件不利地とされることが多いが、林業では有利地だ」(林務課)と強調する。施肥していた土は、山林より養分が豊富。道も整備済みが多いことから、軽トラックで丸太を運びやすい。

 苗は1本100円程度で、10アール当たり40本を植える。2、3年は春先に芽かきと下草の除草をする必要があるが、その後は年に1回見回り、成長を阻害するつる草がからまっていないか確認するだけ。「米作りができなくなった高齢農家でもできる」(同課)という。農地転用手続きで地目を山林に変える手間はあるが、固定資産税が安くなる可能性もある。

 中山間地の農地は放置すると雑木が生えやすく、やぶ化してイノシシなど鳥獣のすみかになる。センダンの葉が広がれば日光を遮り、やぶ化する速度が緩やかになるため、荒廃対策として注目する自治体も多い。

 同市の事例を参考に佐賀県でも10月、太良町で試験植林を行った。同町林務課は「手間がかからないことを農家に伝え、耕作放棄地を縮小したい」と意気込む。福岡県や長崎県でも植樹が進んでいる。
 

需要高く価格2倍


 センダンを含む広葉樹の木材は、世界中で不足している。業者からの引き合いが強く、国産木材で主力の杉やヒノキに比べて2、3倍超の価格がつく。

 既に家具材に採用するメーカーも出てきた。福岡県大川市の貞苅産業はベッドやソファにセンダン材を取り入れた。貞苅幸広社長は「使い慣れない木だったが、家具材として申し分ない」と手応えをつかむ。

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