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2019年12月19日 紙面から
父に宛てた手紙を読み返す近藤弘基さん=ナゴヤ球場で(小沢徹撮影)
中日から戦力外通告を受けて現役引退した近藤弘基さん(26)が18日、中日と来季2軍サブマネジャーの契約を結んだ。プロ初登板でノーヒットノーランを達成した父・真市さん(51)=現アマスカウト=が1軍投手コーチを務めていた2016年には、父と同じ巨人戦で1軍デビューして猛打賞。親子鷹として話題になった。くしくも父子とも26歳でユニホームに別れ。弘基さんは、引退の節目に真市さん宛ての手紙をしたためた。
チームスタッフとしての契約数日前。表舞台最後の仕事として息子は親父へ手紙を書いた。弘基さんにとって現役生活は父・真市さんの名前で注目された5年間。「いいタイミングなので…」。感謝の思いを伝えるためにペンをとり、手紙の内容を本紙に公開した。
「引退してもう注目されることもないです。初めて手紙を書きました。照れくさくはありません。近藤真市の息子として生まれました。父の名前を言われるのが嫌とかいいとか、そういうのは乗り越えています」
野球を始めたのは小学3年。父とキャッチボールで訪れた近所の小学校で活動していた軟式野球チームに入った。
なぜ硬式ではなかったのか。父の答えは「野球を好きなままでいてほしい」。硬式チーム特有の厳しさに押しつぶされる可能性を排除、楽しさを優先する環境を与えられた。真市さんと同じ享栄高に入学。名城大を経て2015年に育成4位で中日入りした。反抗期は昔の話。まとわりついて嫌だった「近藤真市の息子」という肩書を受け入れるだけの余裕もあった。だからこそ、入団後は父に関連する質問にも明るく答えられた。
来季2軍サブマネジャーとして働く。オフはこれまでの感謝を込めて現役選手の練習パートナーを務め、13日はナゴヤ球場で桂に付き合った。「引退して太りました。体を動かさなきゃ」。多くの選手が帰った後のトレーニングルームに入り体づくりに余念がない。
生まれ変わるなら、近藤真市の息子を望むか。「近藤家がいいです」。迷いなく言い切った。
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