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「段取り力」を上げる、攻めスケジューリングのコツ

「段取り力」を上げる、攻めスケジューリングのコツ
Image: SpicyTruffel/Shutterstock.com

時間が経つのは早いもので、気がつけばもう1年。そんな感覚に襲われることが少なくありません。

「今年こそは残業を減らすぞ!」と思っていたものの、気がつけば年初とそれほど状況は変わっていない、という人もいることでしょう。

新年が始まるタイミングや、新しい職場でのスタートなど、そんな特別な機会にこそスケジューリングの見直しをしてみませんか? このタイミングで見直しておくことで、新年のやるべきタスクも明確になります。

そこで今回は、自分から予定をコーディネートし、時間に振り回されずに「やるべきこと」「やりたいこと」を着実にクリアする『攻めのスケジューリング』の手法を紹介していきます。

忙しい日々を送る方のヒントになれば幸いです。

目次

1. 予定は「埋まる」ものではなく「埋める」もの

・年始早々の予定は年末に決めておく

・社内での進捗確認もカレンダーに予定しよう

2. できる人は「相手の予定」も把握している

3. 受け身な期日設定はやめよう

・相手の印象を上げる期日設定は?

4. 予定の抜け漏れをなくして「信頼の蓄積」を

予定は「埋まる」ものではなく「埋める」もの

手帳に予定を書き込む女性
Image: Andrey_Popov/Shutterstock.com

時間に振り回されている人と、うまく調整できる人の差は、手帳を開けて「3週間後の予定」を見れば一目瞭然です。

時間に振り回されている人は、今週のスケジュールはたくさん入っているものの、3週間後以降のスケジュールが空白であることが多いのが特徴です。

一方、うまく調整できる人は、自分で調整しながら時間に対する主導権を持って予定を決めていくので、3週間後以降も予定が入っているのです。

年始早々の予定は年末に決めておく

たとえば、あなたが営業職だとします。

顧客の決算が3月末ならば、1月か2月には、今後の方向性をヒアリングに行くべきでしょう。だとするなら、年始にはアポイントの打診をする必要があります。

そんなとき、メールをするのは実は12月がベター。少し早いかもしれませんが先に打診をしておきます。すると2月にアポが入る、というものです。

社内での進捗確認もカレンダーに予定しよう

後輩に仕事を任せた時も同じです。その後の進捗が気になるところでしょう。「どこかのタイミングで声をかければいい」と考えてはいけません。きちんと時間を決めて、予定化させるのです。

「1月の中旬には確認しておこう」と思ったのなら、お互いのカレンダーに予定を入れておくのです。

このように、先々のアポイントを先に固めていくのが仕事ができる人の進め方です。

できる人は「相手の予定」も把握している

カラフルなピンが刺さったカレンダー
Image: ADragan/Shutterstock.com

相手のスケジュールを覚えておくと、さらに段取りの良さが輝きます。

たとえば、顧客の人事異動の辞令が出るタイミングがわかっているなら、発令から約2日後には連絡して、状況を伺うことを予定として組んでおきます。

また、来期の予算方針が決まるタイミングを把握しているなら、スケジュールに「来期方針決定」とメモしておきましょう。これもしっかり「予定」になるのです。

相手の動きに関心を持ち、それをメモしておくことで行動の段取り力は高まります

受け身な期日設定はやめよう

街中を走るビジネスマン
Image: G-Stock Studio/Shutterstock.com

段取りの良い人が、絶対に言わないセリフがあります。それは、「いつまでにやればいいですか?」といった受け身な返答です。

いっぽう、段取りの良い人は、何かを依頼されたとき「すぐにとりかかります。来週の火曜日の13時まででも大丈夫ですか?」といったように自分から期日を打診します

さもなければ、多くの場合は「なるべく早い方が良い」といった要求が返ってきます。結果、急ぎの仕事になってしまって残業するはめになるのです。

相手の印象を上げる期日設定は?

上記のような事態にならないために、こちらから納期を打診しましょう。その時のコツが「ゆとりのある期日」を提示すること。

期日には余裕を持たせますが、提出はそれよりも早く行ないます。そうすることで、相手の期待を超えるスピードを体現するわけです。相手からは、当然よろこばれます。相手の段取りにも余裕ができるからです。

ですので、「期日は先に伸ばし、提出は早くする」ことを心がけてみてください。

予定の抜け漏れをなくして「信頼の蓄積」を

指切りをする2人
Image: Anan Kaewkhammul/Shutterstock.com

「また今度ご飯に行きましょう」といったことを、口約束のまま忘れてしまったことはありませんか? 実は意外と先方は覚えているものです。

その時、誰も怒りはしませんが、「あの人は口ばかり」「その場だけの人」などのレッテルを貼られている可能性もあります。

なので、言ったことは必ず手帳に書くことを実践してみてください。

私は、「言ったことのほとんどは忘れるもの」と考えて良いと思っています。自分を過信しないことです。こうした些細な習慣で、小さな口約束であっても予定の抜け漏れはなくなります

ぜひ、小さな約束こそ守るように心がけてみてください。それが信頼の蓄積にもつながります。


今回は『攻めのスケジューリング』のコツを紹介しました。

想定外の作業に振り回され、つい残業してしまうことは少なくないでしょう。しかし、予め「やるべきこと」を予定に組むと、期日を交渉せざるを得なくなります。それによって「急ぎの仕事を最小限にする」ことが可能となるのです。

「来年こそ残業レスに挑戦するぞ!」と決めている方には、ぜひトライしていただきたいコツです。

伊庭 正康 株式会社らしさラボ 代表取締役

伊庭正康氏

リクルートグループ入社。残業レスで営業とマネジャーの両部門で累計40回以上の表彰を受賞。その後、部長、社内ベンチャーの代表を歴任。 2011年、株式会社 らしさラボ設立。リーダー、営業力、時間管理等、年間200回以上の研修に登壇。リピート率は9割以上。 近著、『メンバーが勝手に動く最高のチームをつくる プレイングマネジャーの基本(かんき出版)』『計算ずくで目標達成する本(すばる舎)』 『できるリーダーは、「これ」しかやらない: メンバーが自ら動き出す「任せ方」のコツ(PHP研究所)』『仕事の速い人が絶対やらない段取りの仕方』(日本実業出版社)』『数字を上げる人のセールストーク・営業のキホン(すばる舎)』等多数。

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※YouTube「研修トレーナー伊庭正康のビジネスメソッド」もスタート

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Image: SpicyTruffel, Andrey_Popov, ADragan, G-Stock Studio, Anan Kaewkhammul/Shutterstock.com

伊庭正康

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