最上位モデルは4K液晶搭載のクリエイター向け! 9万円台(税込)から買える15.6型ノートPC 「HP Pavilion Gaming 15」シリーズ徹底検証
ゲームの技を競う“eスポーツ”が話題を集めていることもあり、最近の高性能パソコンはゲーミングモデルが中心になりつつある。しかし、パソコンに高性能を求めるのはゲーマーばかりではない。写真や動画の編集など、パソコンに大きな負荷がかかる作業を日常的に行っているクリエイターもそうだろう。今回は、そんな、高性能を求める人のニーズを満たす15.6型ノートPCとして「HP Pavilion Gaming 15」シリーズに注目。ここでは、最上位モデルとなる「クリエイターモデル」を使って実力を検証していく。
ラインアップ
4K液晶搭載のクリエイター向けモデルもラインアップした
「HP Pavilion Gaming 15」シリーズ
2018年7月に立ち上がった、日本HPの新しいゲーミングブランド「HP Pavilion Gaming」。同社は、ミドルクラスから“エンスージアスト”と呼ばれるハイエンドゲーマーまでをターゲットとした本格ゲーミングブランド「OMEN」を展開しているが、「HP Pavilion Gaming」はそのひとつ下、ミドルクラスからエントリーまでのゲームファンをターゲットにしたカジュアルゲーミングブランドと位置付けられている。
「HP Pavilion Gaming 15」は15.6型液晶搭載のゲーミングノート。ゲーミングノートによくある派手な見た目ではないので、ゲームファンのみならず、クリエイターをはじめとしたハイスペックを求める多くの人が購入しやすい
その中でも「HP Pavilion Gaming 15」は15.6型液晶を搭載したノートPCとなるが、搭載スペックには目を見張る。高性能なCPU「第9世代インテル®Core™プロセッサー」とNVIDIAの高性能なディスクリートGPUを搭載することで、「Gaming(ゲーミング)」の名にふさわしい高性能を備えているのだ。
いっぽうで、ボディデザインはゲーミングPCによくある派手なものではなく、どこかシャープな印象を漂わせる比較的落ち着いたもの。「ベーシックモデル」は9万円台(税込。2019年11月20日時点)から買えるコストパフォーマンスのよさも手伝って、ハイスペックを求める多くの人が手に取りやすいノートPCとなっている。
HP Pavilion Gaming 15ラインアップ
ベーシックモデル | スタンダードモデル | スタンダードプラスモデル | パフォーマンスモデル | クリエイターモデル | |
---|---|---|---|---|---|
液晶ディスプレイ | 15.6型フルHD、IPS、非光沢、60Hz | 15.6型フルHD、IPS、非光沢、144Hz | 15.6型4K、IPS、非光沢、60Hz | ||
OS | Windows 10 Home 64bit | Windows 10 Pro 64bit | |||
CPU | インテル® Core™ i5-9300H プロセッサー | インテル® Core™ i7-9750H プロセッサー | |||
メモリー | 8GB DDR4 | 8GB/16GB(8GB×2)DDR4 | 16GB(8GB×2)DDR4 | ||
ストレージ | 1TB HDD+インテル® Optane™メモリー(16GB) | 256GB SSD(NVMe対応) | 256GB SSD(NVMe対応)+1TB HDD | ||
グラフィック | NVIDIA GeForce GTX 1050 | NVIDIA GeForce GTX 1650 | NVIDIA GeForce GTX 1660 Ti with Max-Q Design | ||
ACアダプター | 135W スマートACアダプター | 150W スマートACアダプター | 200W スマートACアダプター |
最上位モデル「クリエイターモデル」に注目
そんな「HP Pavilion Gaming 15」の中でも今回注目するのは、最上位に位置する「クリエイターモデル」。シリーズ唯一、高精細な4K(3840×2160)液晶ディスプレイを搭載し、その名の通り、写真や動画の編集など、ハイスペックを必要とするクリエイターに適したモデルとなっている。
まずは、そのボディからチェックしていこう。筐体は全体がブラックで統一された、すっきりとしたデザイン。高性能なGPUを搭載したノートPCは冷却機構が大きくなるため、一般に厚ぼったいデザインになりがちだが、本機は内部のエアフローを最適化したことで、厚さ最大25.5mmの薄型ボディを実現している。また、高性能なパーツを多数搭載しながら、重量が一般的なスタンダードノートに近い約2.355kgにとどまっているのも見どころだ。
キーボード面では、奥に配されたジオメトリック(幾何学的)デザインのB&Oステレオスピーカーが目を引く。正面にいるユーザーにダイレクトにサウンドを届けられる、迫力のあるスピーカーだ。キーボード手前のパームレストは肌触りのよいマット仕上げで、極めてスタンダードなデザインと言える
ボディの薄さは、大きな吸排気口を採用することで実現されたという。前モデルに比べて口を大きくしたことで、フレッシュな外気を多く取り込むとともに、効率よく熱をはき出すことが可能になり、内部のエアフローが最適化された
CPUとGPUを搭載した心臓部には、それぞれを冷やす大型デュアルファンを内蔵。よく冷える冷却機構があってこそ、高性能なCPUやGPUのポテンシャルが存分に引き出されるのだ
処理性能
シリーズ最上位「クリエイターモデル」の
モンスター級パフォーマンスを体験
それでは、「クリエイターモデル」を使用して「HP Pavilion Gaming 15」のパフォーマンスを検証していこう。本機のスペックは、CPUが6コア/12スレッドの「インテル® Core™ i7-9750H プロセッサー」(2.60-4.50GHz)、グラフィックが「NVIDIA GeForce GTX 1660 Ti with Max-Q Design」、メモリーが16GBのDDR4メモリー、ストレージが256GB SSD(NVMe対応)+1TB HDD。ノートPCとしては型破りとも言えるハイスペック仕様だ。
PCMark 10
3DMark
CrystalDiskMark
ストレージの読み書き速度を「CrystalDiskMark」で計測。OSやアプリを搭載するCドライブのSSDはNVMe対応のため、シーケンシャルリードが約3.17GB/s、シーケンシャルライトが約1.6GB/sに達した。データ保存用(Dドライブ)のHDDも2.5インチHDDとしては高速だが、比較するとその速さがよくわかる
クリエイターにとってメリットが大きい4K液晶
前述のように、「クリエイターモデル」には高精細な4K液晶が搭載されている。ノートPCに4K解像度は過剰だと思う人もいるかもしれないが、クリエイターにとっては写真や動画を高精細に表示したり、編集ソフトのツールやタイムラインを多く表示できたりなど、作業効率の面でメリットが大きい。ちなみに、搭載するGPU「NVIDIA GeForce GTX 1660 Ti with Max-Q Design」では、クリエイティブアプリに最適化された「NVIDIA Studio ドライバー」が使用可能。写真や動画の編集、3Dモデルの制作に、そのすぐれたGPUパワーを存分に発揮させることができる。
4KはフルHDの4倍となる高解像度。使いやすい大きさに表示スケーリングを変更することで、広大な表示領域を生かして快適なクリエイティブ作業が行える。左右ベゼル幅も狭く、映画視聴やゲームプレイ時の没入感も高い
ゲームパフォーマンスもチェック
本機は「クリエイターモデル」ではあるものの、日本HPのゲーミングブランド「HP Pavilion Gaming」のいちモデルとしてゲームを快適にプレイすることもできる。試しに、人気ネットワークゲームのベンチマークプログラム「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク」を実行したところ、「1920×1080」(フルHD)の「最高品質」設定で、スコア「12965」の「非常に快適」という高評価。本機のディスプレイ解像度をフルに生かした「3840×2160」(4K)の「最高品質」設定でも「4131」の「快適」という評価となった。4K解像度でも十分にゲームが楽しめることがわかった。
負荷が高めの人気サードパーソン・シューティング「フォートナイト(FORTNITE)」(Epic Games)もプレイしてみたが、プリセット「高」の4K解像度設定でもフレームレートは60fps前後が出た。上記はプレイ中の映像を収めた動画だが、表示がカクつかず、なめらかであることが確認いただけるはずだ
使い勝手
ハイスペックを使いやすくまとめたボディ。本格ゲーミング環境構築に便利な純正アクセサリーも
「HP Pavilion Gaming 15」は使い勝手にも配慮されている。キーボードには、パソコンの横幅をめいっぱい使うことで、キーピッチ18.7×18.4mmのテンキー付きキーボードを搭載。キーボードの奥に大きめのステレオスピーカーを搭載するためか、ESCキーやファンクションキーなどが小さいが、それも使い勝手を大きく損ねていない。キータッチは好みによって評価が分かれる部分だが、本機のキーは軽めのタッチで素早く打鍵できるタイプ。底打ちしてもたわまない強度が確保されているので、文章入力などがしやすいと感じた。なお、ゲーム用の表記や特別な機能を備えたキーボードではない。
キーボードは105キーの日本語キー配列。主要キーのキーピッチは18.7×18.4mmで、一般的なデスクトップPC用キーボードとほぼ同等。白色LEDキーボードバックライトを搭載するため、薄暗い場所でも作業が行いやすい。なお、バックライトの明るさは2段階で調節でき、オフにすることも可能だ
また、映像出力や有線LANなど、主な外部インターフェイスは左側面にまとめられている。これは、マウスを接続することの多いパソコンの右スペースを空けておくように配慮したものだという。また、排気口が背面にあるため、負荷のかかる作業を行う場合でも排熱が手や身体に当たらないのがうれしい。冷却のためのファンコントロールも細かく行われており、ハイパフォーマンスが必要な作業が終わるとすぐにファンの回転数が下がり、静かになった。
純正アクセサリーと組み合わせて
本格ゲーミング環境を構築
「HP Pavilion Gaming」ブランドには、パソコンだけでなく、ゲーミングマウスやゲーミングキーボード、液晶ディスプレイなどのアクセサリー群もラインアップされている。クリエイターが取り入れると便利なアイテムはノートPCよりも大きな画面表示ができる液晶ディスプレイだが、本機をゲームメインでフル活用したい人は、こうした純正アクセサリーと組み合わせることで、統一された世界観のもと、本格的なゲーミング環境を構築することが可能だ。
FPS(First Person Shooter)やMOBA(Multiplayer Online Battle Arena)など、素早い操作が必要なゲームでは、高性能なマウスがあると快適さが段違い。ゲーミングマウス「Pavilion Gaming マウス 200」とゲーミングマウスパッド「Pavilion Gaming マウスパッド 400」を組み合わせれば、正確な操作が可能になる
まとめ
クリエイターもゲーマーも納得のハイスペックノート
以上、日本HPのゲーミングノート「HP Pavilion Gaming 15」にラインアップされた最上位モデル「クリエイターモデル」をチェックしてきた。そのブランドには「Gaming(ゲーミング)」の名を冠するものの、本機の用途はゲームに限らない。クリエイティブ作業の生産性を高める高精細な4K液晶や高い処理性能を備え、クリエイターも満足できるハイスペックな15.6型ノートPCに仕上がっていた。ボディデザインもシックにまとめられているので、自宅の書斎やデザイン事務所などに違和感なく取り入れられるのもありがたい。
また、多彩なゲーミングデバイスを取り揃えた純正アクセサリーも用意されているため、ゲームにフル活用したい人はもちろん、クリエイターにもぴったり。ハイスペックなノートPCを探している多くの人に、「HP Pavilion Gaming 15」はきっと魅力的な選択肢となるはずだ。
液晶ディスプレイ | 15.6型4K(3840×2160)、IPS、非光沢、60Hz |
---|---|
OS | Windows 10 Pro 64bit |
CPU | インテル® Core™ i7-9750H プロセッサー(6コア/12スレッド、2.60-4.50GHz) |
メモリー | 16GB(8GB×2)DDR4 |
ストレージ | 256GB SSD(NVMe対応)+1TB HDD |
グラフィック | NVIDIA GeForce GTX 1660 Ti with Max-Q Design |
光学ドライブ | 非搭載 |
通信機能 | 有線LAN(1000BASE-T)、無線LAN(IEEE802.11 ac/a/b/g/n)、Bluetooth 5.0 |
外部インターフェイス | 左側面:HDMI2.0出力、USB 3.1 Gen 1 Type-A、有線LAN、USB 3.1 Gen 1 Type-C、SDメモリーカードスロット 右側面:USB 3.1 Gen 1 Type-A×2、ヘッドホン端子 |
バッテリー駆動時間 | 最大約7時間 |
サイズ(突起部含む) | 約360(幅)×256(奥行)×23.5-25.5(高さ)mm |
重量 | 約2.355kg |