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MLBの“ワンポイント禁止”は「間違ったアプローチ」 時短目的も、米メディア疑問視

試合時間は毎年の課題として上げられる。AP通信によると今季MLBでは9イニングの場合、平均試合時間は3時間5分35秒と、2018年から約5分も伸び、記録的な長さとなった。これに対してMLBは来季、投球時のルール変更を考えているという。米スポーツ専門誌「スポーツ・イラストレイテッド」はこのルール改正について「なぜ悪いことなのか」として記事を掲載している。

ロブ・マンフレッドMLBコミッショナー【写真:Getty Images】
ロブ・マンフレッドMLBコミッショナー【写真:Getty Images】

今季9イニングの試合の平均時間は、昨季より約5分長くなった

 試合時間は毎年の課題として上げられる。AP通信によると今季MLBでは9イニングの場合、平均試合時間は3時間5分35秒と、2018年から約5分も伸び、記録的な長さとなった。これに対してMLBは来季、投球時のルール変更を考えているという。米スポーツ専門誌「スポーツ・イラストレイテッド」はこのルール改正について「なぜ悪いことなのか」として記事を掲載している。

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 同記事によると、2020年からの運用を想定している新ルールでは、投手が少なくとも打者3人、またはイニング終了まで投げることが義務化される。しかしこのルールでは試合時間の短縮にはほとんどならないという。

 MLBは小刻み継投で起きる時間のロスを防ぎ、試合時間を短縮することが狙いとしているというが、同記事はこれが「無意味」だと指摘する。その理由として、過去4年のうち3年で、打者1人または2人に対するリリーフは減少してきていることを挙げた。いわゆるポイントでのリリーフ登板の数は、今季は過去13年間で最低だった。4年前と比べても21%ダウンしているという。

 同記事は新ルールに対し、「取り除かれる投手交代は、3~4試合につき1回ある程度である。それだけだ。1試合につき短縮される時間は平均で44秒程度となる計算だ。これだけのために、監督が勝つために最善を尽くしたいという権利を取り除いてしまうのか」と批判的な考えを示した。

 では試合時間の短縮で、最も課題となっていることは一体なんだろうか。同記事は10年間で投球間の時間が2.9秒増えたことに言及し、「1試合302球投げたとすれば、14分~15分の上乗せとなる」と、ピッチ・クロックを導入して投球間の時間を制限することを提案していた。

 歴史的にMLBはこれまでも試合の構造を変えるようなルール変更をしてきたというが、今回は試合の戦術に直接影響を及ぼすルール変更だ。そういったことは「これまで、ほとんど起こったことはない」と同記事は伝える。

 また、この新ルールは2020年に始まらない可能性もある。記事は、あるソースから得た情報として「MLBはこのルールを実施する権利を持っているが、最終決定する前に選手会と話し合う必要がある」としている。ただ、記事では、選手会はすでにこのルール変更に反対しないことに同意しているとも指摘している。

 長くなるばかりの試合時間。いずれにせよ、テコ入れが必要なのは間違いないようだ。

(Full-Count編集部)

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