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蹄と鎚のシンフォニア 作者:鳥頭
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side-B 別れの日

彼との約束の日。

私は五枚の蹄鉄を受け取ると、そのうちの一枚を彼へと差し出した。


それは誓いの蹄鉄。

人馬族が大切な相手へと捧げる、たった一枚だけのもの。

私はそれを彼に持たせると、出口に向かって歩き出す。


種族も生まれも異なるあなたにはこの気持ちを伝えることは出来ないけれど、それでもこれを捧げられるのはあなたしかいないから。


そんな私の背中に、あなたは優しい言葉を掛けてくれる。

「またな」

それは再会を約束する言葉。

あなたは私に、またここに来てもいいって、そう言ってくれる。


そんなあなたの気持ちが嬉しい。

そんなあなたのことが愛しい。


「行ってらっしゃい」

そう言って送り出してくれるあなたに返事がしたくて、私は咄嗟に目元を拭うと勢いよく振り返る。

「行ってきます」


私は必ず戻ってくる。

もう一度、あなたに会いに来る。

決意を新たにすると、私は力強く一歩を踏み出した。

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