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蹄と鎚のシンフォニア 作者:鳥頭
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side-A 工房の変化

特殊な粘土をゆっくりと踏んでもらった後、採寸を行う。

最初は蹄に手を触れることに対して抵抗を見せた彼女だが、何度も説得を重ねることでなんとか触れることを許してくれた。

不安げな彼女に対して変なことはしないと誓うと、彼女は横を向いて黙り込んでしまった。


「戦場を駆けるために、全ての力を出せる蹄鉄が欲しい」

そう彼女は言った。

彼女は兵士になるために、自分の蹄鉄を打ってくれる職人を探していたそうだ。作業を眺めるなんて物好きなやつだと思っていたが、どうやら俺の技術の程を知りたかったらしい。

「兵士となり、人馬族の誇りを見せるんだ。」

そう言った彼女の瞳からは、強い意志の力が感じられた。


意匠を決め、作業日数を伝えてからも、彼女は毎日工房を訪れる。


じっと作業を見ている日もあれば、本を読んでいる日もある。

帰ったのかと思えば、木刀を片手に汗を滴らせながら戻ってきた時もあった。


貧相な食事風景を見られてからは「しっかり力を込めてもらわないと困る」の一言と共に台所を占拠され、気付けば洗濯や掃除までこなされていた。

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